狙いは肉食系男子? 「ドンキ化」したファミマに行ってみた:これは本当にコンビニ?(2/4 ページ)
ドンキのノウハウを注入したファミマの実験店舗がオープンした。商品の品ぞろえや陳列方法はこれまでのファミマからは想像もできないものだった。オープン当日の様子をルポ形式でお届けする。
ターゲットは肉食系男子?
店内に入ってすぐ目に飛び込んできたのが、エナジー飲料のコーナーである。金や黒の缶がずらりと並ぶ。その横には、肌を露出した有名格闘家の姿と「筋トレで理想の自分をつくれ!」というキャッチコピーが印刷された男性用サプリがぶら下がっている。ドンキでは普通に売られてそうな商品も、ファミマの店内にあると強烈な違和感を覚える。一般的に「オラオラ系」「肉体労働系」と呼ばれるような男性を意識しているのだろうか。
エナジー飲料コーナーの反対側には、イートインコーナーを撤去してつくったという、アルコールコーナーがある。通常の店舗より商品数が多く、大容量のウイスキーボトル、焼酎ボトル、6本パックの缶ビールなどが所狭しと並ぶ。アルコールコーナーのはずなのに、「王様ゲームトランプ」「罰ゲームトランプ」が陳列してあった。広報担当者は「これからワールドカップが始まるので、テレビを見る前に若者が店に立ち寄り、お酒やおつまみを買ってワイワイ楽しんでもらえたら」と話していたが、この店舗が狙っている「若者」というのは、みんなで飲んで騒ぐのが大好きな層なのだろう。
雑誌コーナーの存在感はない
店内をぐるっと見渡してみると、雑誌コーナーの存在感がほとんどないことに気づいた。通常、雑誌コーナーは駐車場に面したところに置かれており、お客が立ち読みする様子が外から見えるようになっている。しかし、雑誌コーナーがあったであろう場所には、化粧品やマスクなどの日用品がずらりと並んでいる。セブン‐イレブンが店舗のリニューアルに際し、雑誌コーナーを縮小する戦略を打ち出しているが、その流れを踏まえたものかもしれない。
そうざいや牛乳などを並べる棚、ペットボトルやビールなどが並ぶショーケースの品ぞろえや陳列方法は従来のファミマと大差ないが、アイスクリームコーナーには大きな違いがあった。商品や陳列方法は従来のファミマと同じように見えるが、「ドンキ価格」と「コンビニ価格」のアイスが混在しているのだ。ドンキ価格のアイスは「ガーナスティックブラック¥65(税込70円)」というドンキ流の派手なポップで紹介されている一方、何のポップもついていない明治の「チョコミントアイス」は140円(税込)だった。ファミマがこれまで通り仕入れる商品と、ファミマの店員がドンキに発注して納品される商品があるという。
ちなみに、店舗の外には86円のカップ焼きそばがあったが、店内のカップ麺コーナーでは「一平ちゃん夜店の焼きそば」シリーズの商品が216円、ペヤングのカップ焼きそばが171円でそれぞれ販売されていた。
関連記事
- ドンキとユニーの新業態店 「ほとんどドンキ」
MEGAドンキと総合スーパーユニーの両社の強みを融合させた新業態店舗が発表されたが、多くの部分ではドンキ流が貫かれていた。 - スーパーをドンキにしたら売り上げが2.5倍になった理由
苦戦する総合スーパー(GMS)を立て直すために、ある上場企業が6店舗をドンキに業態転換したところ、18年3月時の売り上げが前年比で2.5倍になった。業績が上向いた理由とは? - 離島に進出するドンキ 客の半分は外国人
ドン・キホーテが離島に出店している。16年にとある島に出店したところ業績が好調だったため、別の島への進出も計画しているという。いったいどのような狙いがあるのだろうか。 - ヨドバシの接客力を支える「すごい教育」
社員の接客レベルや商品知識の深さが評判のヨドバシカメラ。高い接客力を支えているのは社内の教育体制にあった。いったい、どんなことをしているのか? - マツキヨのトイレットペーパー、世界的デザイン賞で「5冠」達成
マツモトキヨシHDのPB商品のトイレットペーパーが、世界的に権威のある2つのデザイン賞を受賞。これまで受賞した世界的デザイン賞は5冠目となる。同社は「斬新で情緒的なデザインが高く評価された」とみる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.