狙いは肉食系男子? 「ドンキ化」したファミマに行ってみた:これは本当にコンビニ?(3/4 ページ)
ドンキのノウハウを注入したファミマの実験店舗がオープンした。商品の品ぞろえや陳列方法はこれまでのファミマからは想像もできないものだった。オープン当日の様子をルポ形式でお届けする。
天井からつるされた「焼かま」
天井からつるされたチェーンに、毒々しいドクロマークのイラストが印象的な「焼かま」がひっかけられてある。チェーンは全部で3本あり、おちゃめなイラストの「焼きかま」とレモン風味のイカ天スナックがそれぞれぶら下がっている。これまでのファミマでは考えられない演出だろう。
店内には、ファミマ独自のポップもあった。ファミマの制服を着た金髪の若者が「ポテトチップは飲み物です。」と発言するイラストが描かれている。明らかに若者に向けた仕掛けだろう。
店舗の中央部はまるで密林
ドンキらしさが最も出ていたのは、店内中央部の食品コーナーだ。商品を並べるゴンドラの高さは180センチと従来のものより20センチ高い。さらに、ゴンドラの数は改装前から28台多い62台にも上り、ドンキ名物「圧縮陳列」を想起させるような密度で商品が陳列されている。店内の取り扱い商品数は改装前比で約1.5倍の約5000種類だ。
中央部に足を踏み入れると、まるで“密林”に迷い込んだかのような錯覚に陥る。通路は2人がやっとすれ違えるくらいの幅で、もっと狭いところもあった。
店内で記者がお客とすれ違ったとき、お菓子が床に落ちてしまった。「円筒型投げ込み什器(じゅうき)」と呼ばれるじゅう器に山のように盛られたお菓子が、体に接触したのだ。このじゅう器は通路にはみ出すように設置されており、約30台ある。
お菓子コーナーの陳列方法にも特徴があった。小さな袋に入ったグミやスナックが一面にずらりとで並ぶ姿には圧倒されるものがある。ファミマのPB「ファミリーマートコレクション」の存在感が他店舗より薄い一方、「スッパイマン」ブランドの梅キャンディーや柿ピーが数十個並べられている。レトルトカレーのコーナーに行くと、大手カレーチェーン「ゴーゴーカレー」のレトルトパックが目についた。広報担当者によると、これはドンキが推奨している商品だそうだ。このように、店内にはドンキで取り扱っている約2800種類の商品が販売されている。
コンビニでは商品を棚に整然と並べるのが一般的だが、このような圧迫感があり、ごちゃごちゃとした陳列は実験店舗ならではだろう。
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