富豪ランキング“圏外” 日本はなぜ「ビリオネア」が少ないのか:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
2018年版の「ビリオネア調査」の結果を見ると、ビリオネア数で日本はトップ10にも入っていない。なぜだろうか。その背景には、日本の企業文化がある。
日本にも富豪はたくさんいるが……
まず明確にしておきたいが、世界のランキングには入らない日本にも、ビリオネアはたくさんいる。米フォーブス誌によれば、日本人の資産額1位はソフトバンクグループの孫正義氏(資産額は2兆2930億円)、2位がファーストリテイリングの柳井正氏(2兆210億円)。3位にサントリーホールディングスの佐治信忠氏(1兆8850億円)、4位にキーエンスの滝崎武光氏(1兆8430億円)と続く。
だが、日本の富豪たちは、世界と比べると規模が違うようだ。今、世界で最もリッチな人物は、米Amazon.comのジェフ・ベゾス氏で資産額は1330億ドル(14.5兆円)だ。中国のトップは、中国ネットサービス大手Tencent(テンセント)の馬化騰氏で、453億ドル(4.9兆円)の資産を持つ。ドイツの1位は、スーパーマーケット大手、ALDI(アルディ)を経営するベアテ・ハイスター&カール・アルブレヒトJr.で298億ドル(3.2兆円)、インドのトップはReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)のムケシュ・アンバニ氏で397億ドル(4.3兆円)だった。
日本トップの孫氏は、残念ながらこれらの富豪に遠く及ばない。孫氏は世界で見ると、39位にランクインしている。
もっとも、680人のビリオネアがいる米国には、他の国もまるで歯が立たない。中国とドイツ、インドの数を足しても、米国には追い付けない。世界人口で米国が占める割合は4%強なのだが、そんな米国は、世界のビリオネアの4分の1を抱えている。
「Wealth-X」のレポートには、日本がトップ10に入らない理由は記載されていない。だが何か理由があるはずだ。
プレジデント・オンラインの記事(16年4月18日付)によると、日本は「ビッグスケールの世界企業を創業・発展させた存命者が極めて少ない」といった理由があるという。
またインターネットなどの意見を見ていると、「日本はみんなで仲良くしようとする国」というものや、村社会の日本では「出る杭は打たれる」から、といった理由で富豪が少ないという声も。またその原因は戦後にまでさかのぼり、GHQによって財閥が解体され、農地が解放されて再分配されたりした過去が背景にあるという意見もある。
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