「スーツに見える作業着」に軽量の夏モデル登場 社長「パリコレ目指す」:自転車通勤や営業にぴったり?(1/3 ページ)
ネットで賛否両論を呼んだ「スーツに見える作業着」に軽量の夏モデルが登場。裏地をなくすなどの工夫によって軽量化と通気性の向上を実現したという。開発元に意気込みと今後の目標を聞いた。
衣料品メーカーのオアシススタイルウェアは、スーツ型作業着「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」の夏モデルを7月に発売する。はっ水性、速乾性、多収納性などの機能はそのままに、裏地をなくすなどの工夫で軽量化と通気性の向上を実現。建設・工事現場にとどまらず、「ビジネスパーソンの自転車通勤や夏場の営業回りに最適」という。
伸縮性のある素材を使用し、裏地にメッシュ加工を施した作業着で、ジャケット風の襟などを設けてスーツに見えるよう仕立てた点が特徴。春モデルは3月に発売し、当初ネット上では「作業着をなめているのか」と批判する声も出た。一方、建設業者やマンションの管理会社などからは「画期的だ」と高く評価され、4月に500着を売り上げるなど人気に。5月には女性用モデルを発売していた。
ジャケット、パンツ、ポロシャツがそろう
夏モデルのラインアップは、「テーラードサマ−ジャケット」(1万6000円)、「サマ−パンツ」(1万2000円)、「半袖ビズポロシャツ」(6500円)、「長袖ビズポロシャツ」(7500円)――の4種類(価格は全て税別)。
テーラードサマ−ジャケットは裏地をなくし、重量を従来の約2分の1程度に程度に抑えた。工具などを収納できるファスナーポケットや、ペン差しなどの機能も充実させた。形状記憶機能を持つためアイロンがけは不要で、自然としわのない形状に戻る。速乾性も特徴で、洗濯後は部屋干しでも3時間以内で乾くという。
サマ−パンツは足首が見える9分丈で、フォーマルな装いにも合う細身のストレートタイプ。さまざまな工具が収まるジッパー付きの大きなポケットも配した。折り畳み傘などの大きなアイテムも納まるという。
半袖・長袖のビズポロは、襟の高さとボタンの数などを工夫し、ジャケットを羽織るとシャツを着ているように見える点がポイントだ。前後で裾の長さを変えており、前は裾を出してもジャケットからはみ出さず、後ろはかがんでも背中が見えない丈に調整されている。
カラーは、テーラードサマ−ジャケットとサマ−パンツはネイビー・ブラック、ビズポロがネイビー・ホワイトの2色展開となる。
パリコレ目指したい
デザインを手掛けた、オアシススタイルウェアの中村有沙社長は「半分冗談だが、ゆくゆくはこの作業着を着てパリコレ(パリ・コレクション)に出て、セットの設営とランウェイウォークの両方をやりたい」と笑う。
持ち株会社・オアシスライフスタイルグループの関谷有三社長は「約2年前、水道工事事業の開始10周年を機に、自社の職人の制服デザインを刷新する狙いでこの企画は始まった。当初は私がデザインを手掛けていたが、デザイン案は迷走した。つなぎ、ハーフパンツ、特攻服風の作業着をつくったが、しっくりくるものはなかった」と振り返る。
「そこで、当時は水道事業会社で人事を担当していた中村にデザインを任せたところ、試行錯誤を重ねて完成にこぎ着けてくれた。自社の顧客から『スタッフの身だしなみがよくなった』『商品化はしないのか』との評判をいただいたため、世に出すことを決めた」という。
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