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トランプ、金正恩、プーチン……世界の首脳を守る“専用車” がスゴい世界を読み解くニュース・サロン(5/5 ページ)

6月12日にシンガポールで米朝首脳会談が開催され、両国首脳がクルマで移動する様子など、一挙一動が注目された。世界の首脳はどのようなクルマを専用車として使っているのか。

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インドから国際情勢が見える

 経済力がある国の首脳は、ほとんどの場合、自国産の車に乗っていることが分かる。

 ただ例外もある。例えばインドだ。最近また経済の調子を上げているインドには、タタ・モーターズやマヒンドラといった国産車があるが、残念ながらインドの大統領と首相は、どちらの車にも乗っていない。インドの大統領はメルセデス・ベンツ「Sクラス」、首相は装甲されたBMW「7シリーズ」だ。ただ最近、ナレンドラ・モディ首相は、インドのタタ・モーターズが所有する英ジャガー・ランドローバーが特別に作ったレンジローバーにも乗っている。

 以前は植民地だったインドが英国の自動車メーカーを買収し、そのメーカーの特別車部門がインド首相に専用車を作るとは、なんだか歴史の流れを感じさせる。インドのケースは、首脳の専用車から、国際情勢の移り変わりが垣間見られる好例ではないだろうか。

 これから大きな首脳会談の映像などを見かけたら、ぜひとも専用車にも目を向けてほしい。そこから国について学べることもあるかもしれない。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。


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