米朝会談がシンガポールにとって「大迷惑」な理由:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
トランプ米大統領が、6月12日に予定されていた米朝会談を中止すると一方的に発表。その後、予定通り開催する可能性にも言及し、混乱が続いている。誰よりも迷惑を被っているのが、開催地のシンガポールだ。関係者に話を聞いてみると……
米国のドナルド・トランプ大統領が、またまた予測不可能な動きをしている。そう、6月12日に予定されていた米朝会談の話だ。
もはや説明するまでもないが、トランプは5月24日、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長との会談を中止すると一方的に発表。その混乱はまだ続いている。
トランプの発表を受け、金正恩はすぐに韓国の文在寅大統領と2度目の首脳会談を実施。何とか米朝会談を実現すべく動いていると見られている。すると再びトランプが、Twitterで会談が当初の予定通り行われる可能性を示唆したのだ。
さすがに専門家もジャーナリストも、こうしたトランプ流の“外交”に振り回されている。筆者もトランプのTwitterを日々チェックしているが、あくまでトランプが一方的に伝えたい独断と偏見に満ちたツイートが多く、事実を間違っている発言もある。フィルターのかからないツイートをそのままうのみにしてはいけないが、多くの人々がトランプ・ツイートの“一挙手一投足”に右往左往しているようだ。
こうした米朝会談をめぐる一連の騒動で、誰よりも迷惑を被っているのは、会談の開催地に選ばれたシンガポールだ。「やる」「やらない」でかなり振り回されているのは間違いない。そこで筆者は、米朝会談の調整に携わるシンガポール人関係者に話を聞いてみた。もちろん公表できないことは多いとの前提だが、この人物は「話せる範囲でなら」と応じてくれた。そこからはシンガポールの混乱ぶりが見えてくる。
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