米朝会談がシンガポールにとって「大迷惑」な理由:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
トランプ米大統領が、6月12日に予定されていた米朝会談を中止すると一方的に発表。その後、予定通り開催する可能性にも言及し、混乱が続いている。誰よりも迷惑を被っているのが、開催地のシンガポールだ。関係者に話を聞いてみると……
休暇を取らないよう命じられる
そもそも現時点まで、シンガポールで開催される予定だということ以外、はっきりしていないことが多い。
まず日程だ。当初、6月12日に設定された会談だが、トランプは中止宣言した後も、まだ12日に行われる可能性があると述べている。だが同時に、日程を後にずらす可能性があるとも示唆している。会談の準備と調整をするホストのシンガポールにしてみれば、「早く決めてくれ」と言いたいところだろう。
話を聞いたシンガポール人関係者は、「今、シンガポールの当局は予定通り12日に開催する方向で準備を続けており、関係省庁の職員は休暇を取らないよう命じられ、かなり忙しく働かされている」と言い、この関係者自身も「かなり大忙しで休暇なんて取れない」と述べる。ただ「日程が後にずれる可能性も視野に入れるよう指示されている」とも教えてくれた。
さらに地元の報道によれば、シンガポールの警察当局も今、休暇を取ることができない状況にある。会談中止の発表で、一時は休暇禁止が解除になったが、また会談実施の可能性が浮上してきたことで、再び休暇が禁止になっているという。
現時点では、会談の会場や関係者の滞在するホテルも公には発表されていない。報道によれば、3つのタワーと屋上プールがあるシンガポールの象徴的なホテルであるマリーナベイ・サンズか、老舗のシャングリラ・ホテルか、と予想されていた。
会談を開催するなら、両国の政府関係者が宿泊するホテルなども押さえなければならないが、それも面倒なことになっているようだ。
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