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東京に残る90年前の建造物 再生の共通点は“アート”:上野の“駅舎”と池袋の“歩道”(2/2 ページ)
東京で約90年前に造られた建造物が生まれ変わろうとしている。池袋駅の東西をつなぐ薄暗い通路と、上野に残るかつての駅舎だ。古い建造物の価値を高めるための共通点は「アート」だ。
歴史ある駅舎を一般公開
上野公園の脇に今も残る「旧博物館動物園駅」の駅舎を改修すると発表したのは京成電鉄。7月から工事を始め、9月下旬に完成する見通しだ。
同駅は1933年(昭和8年)12月に開業。建設地が御料地だったことが考慮され、西洋風の荘厳な建物になったという。利用者の減少により1997年に営業を休止、2004年には廃止されたが、駅舎やホームはそのまま残っている。18年4月には東京都の歴史的建造物に選定された。
駅舎内部のしっくい、タイルなどの補修や、建具の改修などを実施した後、18年秋ごろに駅舎の一部を一般公開する。東京藝術大学と連携して、歴史的建造物に関する展示なども行う予定だ。
駅舎の入り口の扉には、同大美術学部長の日比野克彦氏によるデザインをあしらう。上野の森美術館、上野動物園、国立科学博物館など、上野エリアにある9つの文化施設をモチーフにしているという。
駅が廃止になってからも上野に残る立派な駅舎を見て、内部がどうなっているのか気になっていた人もいるだろう。今秋には、東京の鉄道と建造物の歴史に触れられる、新たなスポットへと生まれ変わりそうだ。
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