福岡から出てきた私が入社3カ月で店舗運営を任された話:社会課題解決企業で働く福岡娘の奮闘記(1/5 ページ)
ゲイトという会社で働いている尾方です。この会社に入社してすぐ、ある居酒屋店舗の運営を任されることに。そこでのエピソードを基に、仕事における「目標」の大切さをお話ししたいと思います。
ゲイトという会社で働いている尾方です。この会社に入社して間もなく3年になります。簡単に私のキャリアを紹介すると、「新卒社長→挫折して引きこもり→ゲイト」という感じです。
地元・福岡での大学時代に、ビジネスのステージで活躍していくにはどうしたらいいかを模索していました。就職活動を通じて、社会に出ることがその答えとは思えず、何か行動できることを探す中、大学3年の夏から休学し、1年間東京のベンチャー企業で武者修行しました。
それまでアルバイト先で重宝されていたこともあり、仕事ができる、ビジネスのステージでも活躍できるのではないかと、自信を持って上京しましたが、見事に玉砕。まるで役に立たず、大変苦労した1年間でした。
地元で1番の大学に通っていた私。自信はあったし、自分なりにベストを尽くしてやってきたつもりでした。でも全く通用しませんでした。これから社会に出るのに、今までやってきたことが役に立たない状況を目の当たりにし、学校生活とビジネス現場のギャップを思い知りました。
この差を埋めないと大学を卒業した学生たちと、その学生たちを受け入れる企業、その両方が大変な苦労をするはずだと問題意識を持った私は、この課題を解決するような事業を立ち上げることを決意しました。大学卒業と同時に、大学生が社会で通用するための考え方や行動を身に付けられる人材育成プログラムの開発、プログラムを受けた学生たちと企業が出会える場を作っていこうと、社長になったのです。
しかし、サービス開発などもうまくいかず、1年2カ月で社長を辞めました。ビジネスのステージで活躍したいと努力してきたのに、次にどう進めば良いかも見えず、家に引きこもってただただ毎日を過ごしていました。そうした中、ゲイトの代表である五月女(圭一)と仕事について深く話す機会がありました。この人と一緒ならば自分が思い描くようなビジネスを創り、良い仕事ができるようになるのではないかと思い、上京してゲイトで働くことを決めました。
飲食やヘルスケア、農業、漁業まで手掛ける会社
さて、ゲイトはどんな会社なのでしょうか。一見関連がないような事業をたくさん展開しているため、何をやっている会社か分からないと言われることが多いです。簡単に言うと「社会課題あるいは身近な人たちの課題を、ビジネスを通じて解決している」会社です。B2B事業では、企業のバックオフィス支援、B2C事業では、飲食事業、ヘルスケア事業などのストアビジネスを展開しています。そのほかにも、米国や三重県でITサービスを提供したり、山梨県で農業を行ったりしています。最近特に力を入れているのが漁業です。
農林漁業従事者の減少は加速しており、2017年の全国での漁業従事者は15.3万人。私たちが漁業を開始している三重では03年で1万2261人だった漁業就業者数は、08年には9947人、13年時点では7791人。1年ごとに約430人以上が減っていることになります。このままでは漁業者がいなくなってしまい、魚が食卓に並ばなくなる現実がもう目の前にあることに気付いたのです。現在、熊野市二木島での水産加工場をはじめ、尾鷲市須賀利町で定置網漁の操業も開始しています。
福岡からすがる思いで東京に出てきた私は、ゲイトで仕事の基礎を徹底的に叩き込まれました。とにかく叱られ、時には悔しくて泣いたりしながら、何とか必死で食らいついていきました。そんな中でいくつかの実績を出すことができました。
- 飲食事業の居酒屋(浜松町 和の家)を入社3カ月目で任されて、前年同月対比 来客数147.8%、売り上げ199%という数字を達成。
- カフェ店舗のカイゼンをテーマにチームをマネジメント。前年同月対比(3カ月平均)で来客数130%、売り上げ120%達成。
- 居酒屋へ人工知能(AI)を導入。サービス向上のために、ロボットの開発から導入まで携わる。メディアなどでも多数取り上げられるなど話題となり、昨対同月比予約数が2016年12月は168%、2017年1月は492%となった。
- カフェ事業部の責任者として、実際に自分が店に立たずに、サービスカイゼンを進め、お客さんに喜んでいただけるサービス、持続可能な組織体づくりを推進。
ゲイトでの3年間、いろいろな壁にぶつかりながら働いてきました。ここから私が学んだ仕事のやり方、成果を出していくための思考・行動を、このコラムでお伝えできればと思います。28歳の小娘にビジネスの何が分かるのかと思われる方もいるでしょう。もちろん、私自身もまだまだヒヨッコだと自覚しています。けれども、ビジネスのイロハも分からない中で、必死で仕事に打ち込み、試行錯誤しながらもそれなりの成果を出していったという経験が、読者の皆さんにとって少しでも役に立てば幸いです。
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