福岡から出てきた私が入社3カ月で店舗運営を任された話:社会課題解決企業で働く福岡娘の奮闘記(5/5 ページ)
ゲイトという会社で働いている尾方です。この会社に入社してすぐ、ある居酒屋店舗の運営を任されることに。そこでのエピソードを基に、仕事における「目標」の大切さをお話ししたいと思います。
あいさつを1日たりとも欠かさない
店内の取り組みは日に日にスムーズになっていき、メンバーに任せることができるようにました。実はその間、私が最も注力したのは、店の外の取り組みです。先述したマーケティング活動です。
目標月だった12月は1日たりとも休まず、毎日午後4時から店の前の交差点に立って「あいさつ運動」を実施しました。
「お疲れさまです!」「こんにちは!」。笑顔であいさつされて嫌な人はいません。お客さんを少しでも喜ばせたい、自分の行為が少しでも人の役に立つものにしたいという思いから、店に来てくれる方ではなくても、道を行き交う人たちにあいさつをし続けました。
毎日立っているので、通勤するビジネスマンの方がだんだん私のことを覚えてくれるようになりました。いつしか「お疲れさま」などと相手から声を掛けていただくことも増えました。こうしたことで会話がしやすくなりますし、店への案内もしやすくなりました。
毎日立っているだけではなく、店の外や、街の掃除も始めました。すると、その道を使う人たちが好意を持ってくれたり、店の周りの雰囲気が良くなったりしたのです。
もちろん、取り組みがすべて成功したわけではありません。失敗もたくさんあります。ある日、まったくお客さんが入らなく、どうしようと悩んだあげく、連絡先を交換していたお客さんに「来ませんか?」とメッセージしたことがあります。何度か足を運んでくれていたお客さんでしたが、そこから一切店に来てくれなくなりました。
不快な思いをさせてしまったと、お詫びのメッセージをしましたが、返信はまったくありません。相手が嫌がるような接触の仕方は今後絶対にやらないと心に誓いました。
このように高い目標に向かって、文字通り体当たりで仕事に打ち込んだわけですが、実際の結果は1956人。2000人に44人足りず、目標不達成で終わりました。数字としては残念な結果に終わりましたし、リーダーとして自分自身のふがいなさを痛感し、とても悔しい思いをしました。
けれども一方で、目標を達成するために必死でさまざまなことに取り組んだプロセスは決して恥じることはないと、後に振り返って思えるようになりました。結果的に、常連の方々ができ、浜松町 和の家がより良い店へと変わりました。もちろん、私自身も大きく成長できました。
目標は、お客さんをより喜ばせるためのスキルアップや、より良いサービスを生み出すために知恵を絞る大切なきっかけになると感じています。読者の皆さんにとっても、自分自身のスキルを高め、今まで考えもつかなかった新しいアイデアを生み出すいい機会だととらえると、きっと目標に対する向き合い方は変わるはずだと思います。
著者プロフィール
尾方里優(おがた りゆ)
株式会社ゲイト PublicRelations
BEABAR Representative
1990年福岡生まれ。2014年九州大学芸術工学部卒業。大学卒業と同時に、新卒採用支援を行うビジップ株式会社の代表執行役社長に就任。2015年7月から株式会社ゲイトのPublicRelations担当として活動。既存のビジネスの構造改革に取り組む。生産地での活動、店舗に立つこと、事業部全体の運営、メディア対応など川上から川下までお客さまに喜んでいただける組織体を作っていくべく動き回っている。活動範囲はビジネスだけに留まらず、縁ある学校で講義を行うかたわら、学術研究や産学連携も積極的に協力している。
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