マミートラックとは無縁、ファンケルの管理職ワーママの仕事術:女性が活躍する職場(1/4 ページ)
創業以来、女性の力を生かすことに努めてきたファンケルは、現在も社員の8割が女性である。では、同社の女性管理職はどのような働き方をしているのだろうか。子育てをしながら部長として38人のメンバーを率いる山本真帆さんに話を聞いた。
2015年に女性活躍推進法が成立して以来、自社の管理職における女性比率をいかにして引き上げるかに頭を悩ませている企業は多いだろう。そんな中、化粧品・健康食品のファンケルは、女性管理職比率が45.2%と高い水準にあり、2018年度末までに50%という目標も掲げている。
同社は1980年に創業。日本で初の化粧品の通信販売の会社として、最初は現会長である池森賢二氏と数人の女性パートタイマーでビジネスを立ち上げた。現在も社員の8割が女性で、女性の力を生かすことに長けた企業と見受けられる。
管理職の女性はどのような働き方をしているのか、子育てをしながら部長として38人のメンバーを率いる、通販営業本部 販売企画部 部長の山本真帆さんに話を聞いた。
部長に就任して間もなく出産、育休明けでもポストはそのまま
2000年に新卒で入社した山本さんがファンケルを選んだのは、同社の経営理念に強く共感したからだった。特に、従来は高額商品だった健康食品を、高品質・低価格で提供して社会に貢献するというビジネスのあり方に魅力を感じたそうだ。
入社後は健康食品に関わる仕事を多く経験し、現在は化粧品と健康食品それぞれのプロモーション企画、ECサイトの運営、会員向けのカタログ制作を担う部署の部長を務める。
14年に部長に任命された直後に妊娠が分かった。そのため、就任して数カ月で産育休に入り、半年ほどで復職した。山本さんの不在中は代理を立て、部長のポストはそのまま空けておいてくれたそう。世間では、育休から復帰したら、責任ややりがいのない仕事しか任されなくなったという「マミートラック」問題に悩まされるワーキングマザーも多いが、ファンケルではそのようなことはないようだ。
ファンケルでは子どもが小学校卒業まで時短勤務が可能だが、山本さんの場合は午後6時までに業務を終えれば保育園の迎えに間に合うため、フルタイムで残業なしという働き方を続けている。とはいえ、以前は午後10時や11時までの残業も厭わず働いていたため、定時までに仕事を終わらせるには、やり方をガラッと変える必要があった。
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