「プレ金」が低調なのに月末金曜に串カツ田中がにぎわう理由:売り上げが2割もアップ(1/2 ページ)
2017年2月にスタートした「プレミアムフライデー(プレ金)」。定着はイマイチなのに、串カツ田中のプレ金キャンペーンは好調だという。いったい、なぜなのか。
2017年2月にスタートした「プレミアムフライデー(プレ金)」。当初は、プレ金需要を見込んだ飲食店や百貨店の取り組みが注目されたが、その後は低調な状態が続いている。
実際、プレミアムフライデー推進協議会事務局が18年2月に発表した「プレミアムフライデー1年間の振り返り」によると、プレ金が「消費喚起や働き方改革に取り組む企業には一定の効果があった」としつつも、「消費喚起のキャンペーンを縮小・中止する企業も一部あり、定着にはさらなる取り組みが必要」と分析している。
そんななか、串カツ田中のプレ金セールが好調というが、背景には何があるのだろうか。
串カツ田中を運営する串カツ田中ホールディングスの発表によると、毎月実施しているプレ金キャンペーンは好調で、通常の金曜日とくらべ、平均して売り上げが20%前後アップする状態が継続しているという。
通常、店舗がオープンする時間は午後5時だが、キャンペーン当日は午後3時となる。さらに、「おばけレンコンプレゼント」「本気じゃんけん勝ったら串カツプレゼント」といったように、毎月、実施するイベントを変えている。プレ金に来店できないお客に向けて、同じ週の別の日に午後6時までの来店で串カツが108円(税込)になる「プレミアムWEEK」という企画なども手掛けている。
プレ金キャンペーンが好調な理由について同社広報は「お客さまに『月末金曜日に、串カツ田中で何かキャンペーンをやっているだろう』という認知度が広まってきたからではないか」と分析している。
串カツ田中はプレ金需要を積極的に取り込む施策に取り組んできた。例えば、プレ金が正式にスタートする1カ月前に1回目のキャンペーンを開始し、多くのメディアに取り上げられた。こういった姿勢が他団体にも注目され、プレ金を推進するイベントで串カツを提供したこともあったという。
直近では、プレ金ではなく、店舗数が200店舗を超えたキャンペーンとなる「田中のプレ金、休みます」というイベントを6月29日に開催する。これは、実質的にはプレ金キャンペーンと同じなのだが、あの手この手の施策を打ち出してきた成果が定着してきているのだ。
関連記事
- 串カツ田中、ほぼ全店舗を「禁煙」に なぜ?
串カツ田中が、全国の181店舗を6月1日から原則として全面禁煙化すると発表。ターゲットとする家族連れの満足度向上と、従業員の受動喫煙防止などが狙い。喫煙室の導入による分煙化は検討していないが、フロアごとの分煙化は一部店舗に導入する。 - 串カツ田中が新卒だらけの店舗をオープン、狙いは?
串カツ田中が新入社員だらけの店舗をオープンさせる。未熟な接客を温かく見守ってもらうお礼としてドリンクを格安で提供する。接客の質をあえて落とすような決断をした理由とは? - センベロの王者 「晩杯屋」急成長のワケ
わずか10年弱で東京を代表する立ち飲みチェーンに成長した「晩杯屋」。お酒とつまみ3品程度で1000円以下という低価格が支持されているが“センベロの多店舗化”に成功した背景には何があるのだろうか? - 「5」への強いこだわりで急成長 ゴーゴーカレーの巧妙な戦略
2004年に1号店をオープンさせてからカレー専門店として国内2位の地位に躍り出たゴーゴーカレー。急成長した背景にあったのは、考え抜かれたビジネスモデルだけでなく、松井秀喜選手や「5」への強いこだわりがあった。 - 「量を減らしたら売れた」 くら寿司の好業績を支えた意外な商品
くら寿司を運営するくらコーポレーションの業績が好調だ。好業績を支えたのは新規投入したイタリアンメニューや糖質オフの商品だが、意外にも量を減らしたことで売り上げを伸ばしたものがあるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.