「お父さんバンク」ってなに？ 1日限定のパパが注目されている：土曜インタビュー劇場（得意ワザ公演）（5/5 ページ）

得意ワザを持て余している人と、それを必要としている人をマッチングさせる「お父さんバンク」が広がりつつある。最大の特徴は、無料のプラットフォームであること。世の中には子育て支援サービスはたくさんあるのに、なぜこの仕組みが広がっているのだろうか。

[土肥義則，ITmedia]

お父さんバンクは倒産したらいいよね

土肥：　お父さん図鑑に登録している人が増えていて、利用したいという人も増えている。全国から「支部をつくってほしい」といった声もあるそうですが、なぜこうした動きが広がっていると思いますか？

義廣：　子育てに悩んでいる人がたくさんいるからではないでしょうか。仕事、家事、育児などをお母さん1人で行っていれば、やがて肉体的にも精神的にも追い詰められてしまう。一方で、独り暮らしをしている、単身赴任をしている、子育てがほぼ終わっている、休日に時間がある、といった人たちもいる。双方のバランスを整えるにはどうすればいいのか。得意ワザを持っている人と、それを必要としている人をマッチングさせれば、少しはうまく回るのではないか。このように考えている人が増えたので、お父さんバンクの仕組みが広がっているだと思っています。

　ただ、運営していくのにはどうしても資金が必要になります。グッズをつくってそれを売って交通費などにあてるといったことも考えられるのですが、自分はお金をたくさん稼いでいるけれど、忙しいので得意ワザを披露することができない。お金は出すことができるけれど……というお父さんっていませんかね（笑）。

土肥：　“お父さんバンクのバンク”ですね。最後の質問です。全国から問い合わせがきているわけですが、今後もお父さんバンクを広めていきたいのでしょうか？

義廣：　いえ、冗談半分で「お父さんバンクは倒産したらいいよね」と言っています。子育てに困っているお母さんがいれば、当たり前のように手を差し伸べる。わざわざWebサイトに登録して……といった場が不要になる世の中になればいいですよね。

（終わり）

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