インドでボンカレー、華麗にデビュー!? 大塚食品の挑戦:食文化の壁に秘策で挑む(1/3 ページ)
大塚食品がボンカレーのインド市場開拓に乗り出した。インド人は食の好みが保守的で通常のレトルトは売れないと判断、社員食堂にカレーパンの形で売り込む。
カレーと言えば思い浮かべる国、インド。しかし、日本人が食べる一般的な「カレーライス」と、日本にあるインド料理店で出てくる「インドカレー」は随分違う食べ物に見える。前者は白いご飯にドロッとしたルーがかかっている。インドカレーはどちらかと言うと、さらっとした汁とナンやパラパラしたご飯を一緒に食べることが多いようだ。
では、日本式カレーを現地のインド人は果たして食べてくれるのか。世界初の市販用レトルトカレー、ボンカレーを擁する大塚食品がこのテーマに挑戦している。インド・バンガロールに飛んだのは同社の国際事業開発部インド室室長、植松宏和さん。毎日カレーを食べているインド人の舌をボンカレーはうならせられるのか、追った。
発売50周年を記念してインド進出
ボンカレーは2018年に発売50周年を迎えた。植松さんらは約3年前からこの「50周年」に合わせたボンカレーの新たな市場開拓を模索していた。海外、特に長期保存しやすいレトルトの強みが生かせるアジア圏に売り込もうと考えた。
タイやインドネシアも候補に挙がったが、最終的にインドに決定。「タイなどは既に日本食が浸透している。逆にインドのスーパーではインド料理用の食材くらいしか置いておらず、食に対して保守的。一方、最近ではマクドナルドなどの外食チェーンが増加している。人口の多さや経済成長の速さもあり可能性を感じた」(植松さん)。
しかし、インド市場を調査し始めた植松さんは「インドのスーパーに(日本で売られているような)レトルトのボンカレーを販売するのは難しい」と痛感した。
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