「mineo」がソフトバンク回線に対応 “トリプルキャリア”で目指すものとは:独自路線行くMVNO(2/3 ページ)
VNOのmineoが9月からソフトバンク回線の提供を始める。すでにauとNTTドコモの回線を提供しているため、3大キャリアの全ての回線が利用可能となった。現在はMVNO市場5位となる106万回線を獲得しているが、今後は2020年までに200万回線の獲得を目指すという。
ソフトバンクユーザーの受け皿に
ソフトバンク回線を利用できる端末は、iOSでは「iPhone5」以降のモデルと、「iPad」全機種。Androidでは、17年8月以降に発売されたSIMロック端末と、SIMフリー端末全機種。現行のソフトバンクユーザーの78%が該当し、「MVNOを利用したい層の受け皿として、約360万回線を獲得できるポテンシャルがある」(荒木社長)という。
ソフトバンク回線を利用したサービスの正式名称は「Sプラン」。月額料金はAプラン(au回線)とDプラン(ドコモ回線)よりやや高く、500MBが790円、3GBが990円、6GBが1670円、10GBが2610円、20GBが4070円、30GBが5990円――の6段階。音声通話への対応は960円、SMSへの対応は180円の追加料金が必要(全て税別、以下同)。
従来のプランで選択できていた1GBは選択できなくなるが、荒木社長は「500MBのプランを出したところ、学校ではスマホの所持が禁止で、家ではWi-Fiがあるためデータ通信をほとんど使わない高校生などに受け入れられた。増えすぎると分かりづらいため、1GBのプランは中止する」と理由を説明する。
テザリング無料化などでもっと便利に
ケイ・オプティコムはさらなる顧客満足度向上のため、「マイネ王」でユーザーからの要望が多かった計3種類のサービス・施策を実装することも合わせて発表した。
第一に、リリースと同時にソフトバンク回線、18年10月からau回線の端末で、テザリングを無料で利用可能にする。利用可能な端末はWebサイトで順次告知する予定。
第二に、顧客接点の拡大とSIMカードの即時提供サービスの強化を目的に、実店舗「mineoショップ」を今夏〜今秋にかけて順次オープンする。8月下旬に福岡県、9月4日に大阪府和泉市、9月中に広島県内と岡山県内に出店する予定で、累計店舗数は11店舗となる。
9月4日には、東京・渋谷で運営する旗艦店「mineo 渋谷」をリニューアルオープンする。現在はビルの1階でカフェ、2〜4階で店舗を運営しているが、1階をiPhone修理店に改装する。「カフェ内でmineoを告知していたが、想定ほどの顧客獲得につながらなかった。携帯電話に関連するショップに改装することで、効率よく送客したい」という。
第三に、mineoユーザーが格安で利用できるエンターテインメント系サービスを拡充する。漫画・電子書籍のレンタルサイト「Renta!」を月額280円、動画配信サービス「Hulu」を月額933円、音楽ストリーミングサービス「レコチョク Bestライトプラン」を月額300円で利用可能にし、ユーザーからの「エンタメサービスを増やしてほしい」との要望に応える。
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