東海道新幹線に盾とさすまた配備 防犯体制を強化:喫煙ルームを改修して格納
JR東海が8月から、東海道新幹線内に防護盾や刺又(さすまた)などを搭載する。「N700系」の喫煙ルームを改修して格納し、防犯などに活用する。
JR東海は7月25日、8月から東海道新幹線内に、防護盾、さすまた(刺又)、耐刃手袋などの防護装備を配備し、止血パッドなどの医療用品を新たに搭載すると発表した。主に乗務員と警備員、医療関係者用で、一部車両の喫煙ルームを改修して格納し、防犯などに活用する。
6月に発生した、東海道新幹線内で乗客の男女3人が刃物で襲われて死傷した事件を踏まえた。防護装備の配備は年内にも完了する予定。
乗務員用には、防護盾、対刃手袋、耐刃ベストを、警備員用には防護盾とさすまたを用意する。さすまたはU字型の金具に柄を付けた防犯対策用品で、金具の部分で不審者を壁や床に押し付け、取り押さえるなどの用途がある。
また、従来は女性の乗務員・パーサーのみに配布していた防犯スプレーを男性にも配布し、防犯体制を強化する。
けが人が発生した際の医療体制を整えるため、従来の手動血圧計などに加え、三角巾、止血パッド、ゴム手袋、油紙といった医療用品も追加する。搭載する箇所は、1編成につき1カ所から3カ所に増やす。
これらの防護装備・医療用品を格納するため、「のぞみ」などに使用されている「N700系」の3号車・15号車に2カ所ずつ設置している喫煙ルームのうち1カ所ずつを改修し、格納庫として活用する。
医療用品の拡充と車両の改修も、8月から順次開始し、年内に完了する予定。
防犯対策における連携を強化するため、一連の施策に先駆け、7月23日から乗務員・パーサー・司令員が同時に通話できるシステムを業務用スマートフォンに導入した。
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