インタビュー
日本コカ・コーラのミレニアル世代が主導したコミュニケーション改革:担当者に聞く(2/2 ページ)
「ミレニアル世代」の感性を取り込んで、商品開発や組織作りに生かそうとする会社が増えているという。飲料メーカー大手の日本コカ・コーラもそうした1社である。
そこでリーさんはゲーム要素を取り入れた。同時期にAPAC(アジア太平洋)の各国でもWorkplaceの導入プロジェクトが走っていたので、ユーザー普及率をコーラのボトルにビジュアル化して、どの国が一番早くボトルの中身を100%に満たされるかを競った。この情報はWorkplaceに設けた全社員向けスレッドに随時投稿した。
「刻一刻とボトルが変化していくので、競争はどんどんヒートアップし、皆の注目も集まっていきました。最終的に日本チームが優勝しました」
単なる導入の促進にとどまらず、スピードを高めることにもつながったのだ。
Workplace導入後の効果はどうだろうか。部署やプロジェクトチームごと、あるいは共通の興味・関心を持つ者などがさまざまなグループを作り、毎日活発な投稿がなされている。日本法人の社長も積極的に投稿して、社員とコミュニケーションを図っているそうだ。
生産性という点でも成果が出始めている。社員の業務に関して事前の情報共有が進んだことで会議の時間が短縮。例えば、リーさんのチーム会議は30分から15分に半減したそうだ。
ただし、まだ部門の壁を超えたコミュニケーションが不十分。そこを改善していき、よりよいワークプレイスを創りたいとした。
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