“毎日安売り”のオーケーとコスモスが着々と進める“西友包囲網”:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)
ウォルマートによる売却報道が飛び出た西友は、毎日安売りをするEDLP(Everyday Low Price)で苦戦している。しかし、同じスーパー業態のオーケーや、ドラッグストアのコスモス薬品のように、EDLPで成功しているケースもある。どこで差がついたのだろうか。
競合他社と比べて本当に安いのか?
肝心な価格についても、西友は大して安くない印象がある。例えば、イオンもウォルマートに倣ってEDLPを進めているが、日本の商習慣である特売も併用する。イオンは「火曜市」のようなセールを頻繁に行うので、トータルでどちらが安いかは微妙なのである。
一方、04年4月に西友は日本初のスーパーセンターを、静岡県沼津市にオープンして話題をさらった。しかし、日本では郊外にスーパー、レストラン街、シネコン、家電量販店、アパレルショップなどの専門店が複合したショッピングセンターが成長しており、イオンモールやららぽーとなどに注目が集まっている。ディリーユースの商品がそろうだけのスーパーセンターは、エンターテインメント性が皆無で面白味に欠け、出店が進まなかった。
つまり、都市部でも郊外でも、ウォルマートが思い描いたように西友は集客できなかった。
そこで、西友は古びた店舗の改装を進める一方、主に地方の不採算店を整理して、首都圏の中型店に集約してコストを圧縮する路線に変更する。
12年12月、日本向けの新しいPBである「みなさまのお墨付き」を開発。単に安いだけでなく、消費者テストで70%以上の人が「非常に良い」「良い」と回答した商品のみを販売する仕組みとなっていて、おおむねメーカーのナショナルブランド(NB)競合品よりも安い。18年2月時点で約800アイテムにまで増えている。
EDLPの施策として、15年より3カ月間低価格で固定する「プライスロック」を採用(当初は6カ月間、価格を固定していた)。対象は3000品以上に増えており、西友は事業再建の最中である。
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