“毎日安売り”のオーケーとコスモスが着々と進める“西友包囲網”:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)
ウォルマートによる売却報道が飛び出た西友は、毎日安売りをするEDLP(Everyday Low Price)で苦戦している。しかし、同じスーパー業態のオーケーや、ドラッグストアのコスモス薬品のように、EDLPで成功しているケースもある。どこで差がついたのだろうか。
西友に差をつけるオーケーの戦略
オーケーの店舗を訪れると、倉庫のようなレイアウトとなっており、一見西友と似ている。それもそのはず、オーケーは1958年に創業したが、86年にウォルマートに倣って基本方針だった高品質・お買徳にEDLPを加えた「高品質・Everyday Low Price」をモットーとしている。特売を行わず、年間を通して低価格で販売している。
同じEDLPでも品質が伴った“毎日安い”を追求している。国道16号線の内側を出店エリアと考え、首都圏の成熟した顧客相手に商いをしてきた。
最近、西友も「安いクセして。」とキャッチコピーを変えて、鮮度(特に生鮮品)などの面で品質も伴っていると宣伝するようになった。考え方はオーケーに寄ってきている。
オーケーのEDLPは、メーカーのNBの場合、競合他店の特売にも負けない地域一番の安価を目指している。商品の点数を絞り込み、価格交渉力の強いトップブランドをあえて外すケースもある。そして、その商品をなぜ売るのか、どこがトップブランドと同等な高品質なのか、店員の寸評が値札に書かれている。店員が商品を比較検討してセレクトしたという、安心感と手づくり感があるのだ。
また、オーケーの値札には元の価格よりどれだけ安くなったのかが明記されている。4割引、5割引も当たり前だ。
オーケーはおよそ半径1キロ以内にある競合店のNBの売り値を調査しており、高い場合には値下げをしている(調査対象は特売品も含む)。西友も他店のチラシを持参した顧客に対し、対抗値下げを行っている。しかし、オーケーの場合は「競合店に対抗して値下げしました」とPOPを付けて販売しているので、安さが顧客に伝わりやすい。
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