タニタ、「靴を履いたまま測れる体組成計」発売 面倒くささを解消:「靴を脱がない文化」の海外展開も
タニタが、靴を履いたまま体重など12項目を計測できる体組成計を発売。グリップを握って計測する方式を採用した。「靴を脱ぐのが面倒」との不満を解消できるため、海外展開も行うという。
健康機器メーカーのタニタは8月7日、靴や靴下を履いたまま、体重や体脂肪率などを計測できる体組成計「DC-13C」を発売した。素足での計測が一般的だった従来型とは異なり、グリップを手で握るだけで計測できる点が特徴。計測時間を従来の半分以下に当たる約40秒に抑え、「靴を脱ぐのが面倒だ」というユーザーの不満を解消。公共施設など新しい市場を開拓する。
価格は税別28万5000円。体重と体脂肪率のほか、体格指数(BMI)、脂肪量、除脂肪量、筋肉量、筋肉率、体水分量、体水分率、推定骨量、基礎代謝量、内臓脂肪レベル――の12項目を測定できる。
測定結果は、付属する小型プリンタから出力される。従業員・職員の体組成データを基に、タニタが健康管理方法をコンサルティングする法人・自治体向けサービス「タニタ健康プログラム」とも連携する。
「靴を脱がない文化」の海外展開も視野
医療機関や検診施設のほか、自治体の公共施設、企業などの導入を見込む。企業では、運輸業におけるドライバーの健康管理や、工場での集団健康管理などの用途を想定する。室内で靴を脱ぐ文化がない海外にも展開していく。
タニタの谷田千里社長は「企業に体組成計を導入すると、『オフィスで素足になる必要があるため、女性のニーズに合っていない』との声も出ていたが、今後は靴を脱ぎたくなかった人も気軽に体調管理をしてもらえれば」(谷田社長)という。
国内・海外の年間販売目標はともに約500台。国内では、靴を脱がずに使用できる体組成計が世に出るのは初。海外では1社が提供しているが、計測の正確性や機器の使いやすさの面で差別化を図るという。
谷田社長は「体組成の測定には、体内に微弱な電流を流す『生体インピーダンス法』を使用しているが、手は足よりも測定結果にばらつきが出るなどの課題があった。当社はこれを独自の技術で改善できた。正確性には自信を持っている」と強調する。
ギネス記録も申請
技術面では「測定のアルゴリズムを改善したほか、グリップの握りやすさを調整し、ユーザーの測定姿勢に差が出ないようにした」(ライフソリューション事業部 企画課の久米川真弓氏)という。
測定時間の短さと利便性を確かめるため、3月に都内で行われた「2018板橋Cityマラソン」にブースを出展。8時間にわたって15台を稼働させた結果、出場者など計2962人の体組成を測定できたという。この結果を踏まえ、短時間に最も多くのユーザーの体組成を測定した機器として、ギネス世界記録を申請したとしている。
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