チョコミントの「ミント」はなぜあの色? ブームの真相に迫る:一見まずそうな「青緑」で売れた訳(1/3 ページ)
チョコミントの「ミント色」は米国のアイスチェーンが開発したもので日本上陸時は売れずその後定着。パンやスイーツに派生した最近のブームはインスタ映えなどSNSで発信するための一時的なものの可能性が高い
チョコミントがブームだ。定番のアイスクリームだけでなく今やメロンパンや和菓子など多様なスイーツが登場。メーカーやコンビニがあの特徴的な青緑色の商品を増やしている。
たいていの人ならこの「ミント色」を見ると、チョコミントのアイスでおなじみの清涼感のある「ミント味」の風味を思い浮かべるはず。しかし、実は本物のミントの葉はブルーの色味のない、もっと深い緑色をしている。例えばバナナ味の菓子やジュースなら、たとえ本物のバナナ由来の成分が入っていなくてもバナナ味であることを示すため黄色にするのが自然だ。しかしミントに限ってはミント味の菓子がこの青緑色になっている必然性がない。
しかも、ミントの葉から抽出・精製されてこの独特の風味のもとになっているミントエキスは実は無色透明という。一体、チョコミントの「ミント色」とはどこからやってきたのか。そして冷静に考えるとあまりおいしそうに見えない色、「青」に近いミント系の商品がなぜ今ブームなのか。いつの間にかはやっていたチョコミントの謎に迫った。
米国で「清涼感のある色」として開発か
チョコミント味のアイスクリームを最初に日本に持ち込んだとされるのはサーティワンアイスクリーム。日本で店舗を展開するB-Rサーティワンアイスクリームの担当者によると、1974年に東京・目黒に第1号店を開いた際の最初のメニューにあったという。
実はチョコミントの歴史はかなり古い。同ブランドを世界中で展開する米バスキンロビンス社では、1948年の時点で「グリーンのミントのアイスの中にビタースイートのチョコチップを入れる」というチョコミントのレシピが存在し、販売されていた。同ブランドではレシピを米国以外で勝手に開発することは基本的に認められておらず、日本でも米国のレシピ通りのチョコミントを販売していた。
ではなぜ、チョコミントのミントはこんな色なのか。チョコミントアイスの「ミント味」のもとになっているミントエキスは、ミントの葉を漬け込んだアルコールから抽出して作られるがあくまで無色透明だ。サーティワンの担当者は「詳しい理由は分からないが、スーッとするミントをイメージさせる清涼感のある色として米国の開発者が選んだ可能性がある」とみる。
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