小売業界の中で最も働きやすい企業は? 転職サイト「キャリコネ」などを運営するグローバルウェイが「労働時間」「やりがい」「給与」など6項目を評価した結果、最も平均点が高かったのは高島屋(5段階評価の3.41点)だった。
高島屋は2017年にサテライトオフィスや在宅勤務制度を導入。厚労省から「女性活躍が進んでいる企業」認定(通称:えるぼし認定)や「子育てサポートが特に充実している企業」認定(通称:プラチナくるみん認定)を受けている。
同社の社員からは「歴史のある会社であり、お客さまの質が良く働きやすい」「当社ならではのルートがあるので法人営業がしやすい。裁量をもって仕事をやりたい方に向いていると思う」といった声が挙がった。
給与が良く、残業も少ない
2位は三越伊勢丹ホールディングス(3.17点)。同社は持ち株会社として、国内では「三越伊勢丹」など10以上の百貨店運営会社を抱えるほか、海外でも百貨店・不動産業を展開している。
育児・介護面が充実しており、子どもが満4歳に達するまで利用できる育児休暇や、最長1年まで分割取得できる介護休業など、法定以上の制度を用意している点が特徴だ。
社員からは「一般企業と比べて出社時間が遅い。午後10時以降は残業禁止の風潮があり、月の残業時間は少なめ。若手の残業時間は多くても月に20時間程度だ」「百貨店業界の中では比較的給与面は良い」との声が出た。
研修・教育・休暇に加え、社員旅行も充実
3位は中部地方を中心にホームセンターを展開するDCMカーマ(愛知県刈谷市、3.13点)。教育・研修・休暇制度に力を入れている同社は、社員から「商品の数が非常に多く、生きていく上で勉強になることばかり」「観光地へのバスツアーやスキー・バーベキューなど、社内行事も充実している」などと評価されていた。
「イクボス」取得や営業時間短縮が公表
4位は15年1月にイオン傘下に入ったダイエーと、沖縄県などで衣料、食品、住宅関連用品の小売業を手掛けるサンエー(沖縄県宜野湾市)が3.12点で並んだ。ダイエーは15年に、管理職が男性社員の育児を支援する「イクボス企業同盟」に加入。20年までに女性管理職50%を目指すなど、女性活躍にも力を入れている。サンエーは、段階的な営業時間短縮を実施しており、社員の負担軽減に努めている。
主な社員の声は「福利厚生は結構充実している。年に2〜4回連続休暇が取れるほか、社員には家賃補助やボーナスも発生する」(ダイエー)、「これまで残業や休日出勤を強要されたことは一度もない」(サンエー)――など。
6位以下はイオン、成城石井(ともに3.05点)、ココカラファイン(2.98点)、イズミ(2.97点)、セブン−イレブン・ジャパン(2.96点)――と続いた。
調査は16年4月1日〜18年3月31日の期間中に、「キャリコネ」に20件以上の口コミが集まっている企業を対象に実施。『業界地図2018年版』(日本経済新聞出版社)の分類を参考に、「百貨店」「コンビニエンスストア」「スーパー」「地方スーパー」「ホームセンター、ディスカウントストア」「ドラッグストア」「家電量販店」に該当する企業を評価した。
評価項目は「労働時間の満足度」「仕事のやりがい」「ストレス度の低さ」「休日の満足度」「給与の満足度」「ホワイト度」の6項目。
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