真夏のコンビニ中華まん 熱き「ふんわり」VS「もっちり」バトル:原点回帰か本格路線か(1/2 ページ)
今夏にコンビニ各社が相次ぎ中華まんを刷新して発売。食感が「ふんわり」か「もっちり」かがポイントで、ローソンは消費者調査を経て原点回帰のふんわり路線に。
猛暑の続く7〜8月、コンビニ大手が中華まんを相次ぎ発売している。定番の肉まんは7月末にはローソンで、8月14日からはセブン-イレブンでも店頭に並び始めた。
夏でも「温度差」で中華まんを欲する
熱いさなかにホットな中華まんがコンビニに並ぶのはちょっと不思議だが、理由は意外と単純で「気温差」。夏は特に暑い日と涼しい日の温度差が激しい。ローソンによると、東京では25度と前日から9度も気温が低下した8月7日は、関東エリアでの中華まんの売り上げが前日比7割も増えた。「消費者は『いきなり涼しくなったから中華まんでも食べよう』と思う」(ローソン)。
また、夏の屋外は暑くてもオフィスに入ると冷房が効いている。「部屋に入って涼しいと感じたときに温かい中華まんを食べたくなる」(セブン-イレブン)。もうすぐ秋口に入れば、猛暑が過ぎて急に涼しさを感じることも多い。そうした消費者の体感の「温度差」が、温かい中華まんを食べたいという心理につながるという。
「ふんわり」か「もっちり」、それが問題だ
総菜や弁当などの「中食」市場が2017年に10兆円を超えた中、コンビニでも堅調な伸びを示し秋冬の売れ筋商品となっている中華まん。各社は具材や奇抜な見た目などでシェア拡大を目指す。ただ、その中でもひそかにコンビニが毎年のように改良しているポイントがある。生地の食感、すなわちくちどけの軽めな「ふんわり・ふっくら」か、弾力のある「もっちり」かだ。
ただのコンビニ側が作ったキャッチコピーにも聞こえるこの食感の表現。しかし、各社は綿密な市場調査や原料・生産方法の変更などを経て、戦略的に中華まんの食感を変えて市場に投入してきた。味の変化が分かりやすい具材などに比べ、インパクトの比較的薄そうな食感になぜ彼らはこだわるのか。
ローソンは今回、定番の「ジューシー肉まん」などの生地についてふんわり・ふっくらなくちどけに刷新した。そのために17年11月には製粉、油脂などのメーカーと専門チームを結成。小麦粉をあらかじめ熱処理することでこれらの食感を実現させる中華まん専用のミックス粉まで開発した。
実はローソン、17年度版ではもっちり路線の中華まんを販売していた。18年度版の中華まんの方向性を決めるに当たり消費者アンケートを重ねたところ、もっちりよりふんわりの支持がはるかに上回ったため路線変更を決断したという。
セブン-イレブンが少なくとも1985年には販売していたコンビニ中華まん。ローソンで中華まんの商品企画を担当する内堀心名さんによると、コンビニの中華まんの生地はもともとふんわりしたものが主流だったという。
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