証券業界の中で働きやすい企業は? 転職サイト「キャリコネ」などを運営するグローバルウェイが「労働時間」「やりがい」「給与」など6項目を評価した結果、最も平均点が高かったのは業界最大手の野村證券(5段階評価の3.36点)だった。
給与・休暇・家庭支援が充実
AI(人工知能)を活用して業務効率化と労働時間削減に取り組む同社は、平均年収が約1087万円と高い一方、月の平均残業時間が19.3時間と少ない点が特徴。半日休暇、夏季休暇、リフレッシュ休暇などの休暇制度を整えており、年間に2回、1週間の休暇を取ることも可能だ。
配偶者が転勤になった社員が働き続けられるよう、勤務地を変更できる制度も導入。育児休暇、育児短時間勤務、介護休暇なども充実している。
社員からは、「目標は高く、常に試行錯誤して成果を追い求める毎日を送っている。金融知識、セールストーク、自身のキャラクター、顧客との関係構築、商品の魅力、気合いな、どありとあらゆることを総動員して戦い、成果を挙げることはやりがいがある」との声が挙がった。
約150人の女性管理職が活躍中
2位は、三井住友フィナンシャルグループのSMBC日興証券(3.27点)。60年以上にわたって女性社員の登用に力を入れている同社は、約150人の女性管理職が活躍中。育児や介護を理由に退職した社員を、離職から10年以内であれば再雇用する「ウェルカムバック制度」、子どもが中学校に上がるまでは残業が免除される制度など、手厚い制度を整えている。
社員からの評価は「やればやるだけ年収・ボーナスが出る。数字を出し続けるのは大変だが、3年くらい頑張れば営業のリズムがつかめてくるので報酬も安定してくる。1000万円を超える年次はかなり早いのではないか」などが挙がった。
子育て支援を行う企業が人気
3位は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(3.25点)。男性の育休取得率100%を目標に掲げ、時差勤務制やフレックスタイム制を導入している同社は、17年10から本社所属の社員を対象とする在宅勤務制度も始めている。
社員からは、「成果を上げればきちんと報酬で報いてくれる体系だと思う。営業店で稼いでいる人は管理職よりも高い給与を得ることができる」との声が出た。ただ、「賞与は業績に応じて大きく変動する。リーマンショックのような環境ではほぼボーナスがなくなると思っていたほうがいい」との意見もあった。
4位は大和証券(3.21点)、5位はみずほ証券(3.02点)。両社ともに子育ての支援や、残業時間の削減に注力している点が評価されていた。
調査は17年4月1日〜18年3月31日の期間中に、「キャリコネ」に20件以上の口コミが集まっている企業を対象に実施。『業界地図2018年版』(日本経済新聞出版社)の分類を参考に、「証券」に該当する企業を評価した。
評価項目は「労働時間の満足度」「仕事のやりがい」「ストレス度の低さ」「休日の満足度」「給与の満足度」「ホワイト度」の6項目。
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