阪神タイガースが低迷している“元凶”は誰か:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
今季もまた阪神タイガースがリーグ優勝を逃そうとしている。リーグ優勝は2005年を最後に今季も含めて、もう13シーズンも縁がない。弱い虎にイライラを募らせているファンは多いだろうが、チームの低迷を招いている元凶は誰か。
金本体制で結果が伴わない背景
罵声を浴びせる人たちのマナーが悪いと言ったらそれまでだが、気持ちはよく分かる。中でもファンの怒りは、どちらかと言うとナインよりも金本監督ら首脳陣に向けられているようだ。金本体制になって3年目。若手育成に伴う戦力の切り替えを球団側から求められ、就任当初より「超変革」をテーマとして金本監督はチーム改革を推し進めてきた。
ところが未来のタイガースを背負って立つ一流選手の道を歩むようなプレーヤーはなかなか現れない。「ようやく出てきたかな」と思いかけても、その若手が大器の片鱗(へんりん)を見せかけてはすぐにしぼんでいくという悪循環の繰り返しである。こんな調子では貴重な時間を割き、お金を払って見に来たファンとしては「ふざけるな」と言いたくなるのも当然だろう。
思えば昨年のちょうど今ごろも2年目の金本体制をチクリと刺すような記事を執筆させてもらった。若干ソフトなトーンに抑えながら「浮沈のカギは金本監督の手腕にすべてがかかっている」という締めくくりにしたが、これまでまいていたはずの種はまるで芽が出ずに3年契約の最終年となる今季もV逸しようとしているのだから、やはりこうなると監督の責任は免れない。
どうして、ここまで金本体制では結果が伴わないのか。チーム内の話を総合すると、選手たちが金本監督の恐怖政治にビビり上がっている現状があるようだ。金本監督は現役時代に広島で当時の指導者たちから鉄拳制裁やスパルタ式指導をガンガン受けながらのし上がってきた経緯がある。
そういった指導法は今の時代、さすがにタブーだ。それだけにたとえベンチ裏でも手を出すようなマネは一切していないはず。しかし現役時代から染み付く殺気立ったオーラを金本監督に感じ取れば、大人しい性格が圧倒的に多いイマドキの若い選手たちがどうしても自然と萎縮してしまうのは分からないでもない。
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