わが家をとりこにした西表島の仙人:内田恭子の「日常で触れたプロフェッショナル」(1/5 ページ)
旅行といえば海外にしか目が向かなかったわが家が、沖縄・西表島の魅力にとりつかれたのは2年前のこと。今年のGWも西表に。その理由の1つには、現地で出会ったある人の存在が……。
今まで旅行といえば海外にしか目が向かなかったわが家が、沖縄・西表(いりおもて)島の魅力にとりつかれたのは2年前のこと。
仕事では全国各地を回ったけれど、プライベートの旅行で国内をじっくり見たことがなかったよね、なんて話になり、いざディスカバージャパン! 夏だし、やっぱり海がいいと、場所は沖縄に決定。だが本島をはじめ、竹富島、石垣島、小浜島は行ったことがあるから、もっと先の西表島へと思い立ったのだった。
初めて足を踏み入れた西表島は強烈、ワイルド、ココハホント二ニホンデスカ? の世界。なんせ島の約90%が亜熱帯の原生林で、石垣島からフェリーで40分ほどかかって降り立ったフェリー乗り場も、これが島の中心地なのというくらいこじんまり。石垣島ものんびりしていて自然の宝庫だけれども、西表島に来るとあそこがものすごく都会に感じられる。
運が悪いことに、朝東京を出発した時から当時6歳の長男が38度の発熱。まさか。どうする? とりやめる? でもせっかくの休みだし、エアーもホテルも取ってしまってるし。本人もわりと元気だし。日本なんだからいざという時でも大丈夫だよ。と自分たちに言い聞かせてやって来たのに。島に着いた瞬間、かなり不安。病院どころかコンビニもないよ……。ちょっとドキドキしながらホテルに向かった。
事前にホテルに事情を話していたせいか、とても親切にチェックイン前に部屋を用意してくれていた。やれ氷枕だの、体温計だの、体調が悪化したら島には診療場しかないから、石垣まで行きましょう、と一緒に心配をしてくれる。島の人たちは温かいねえ。
長男をとりあえず寝かせて、一息ついていると、「うっちー、西表にいるの?」と携帯メール。差し出し人は、お台場にあるホテルのHさんから。
フジテレビに勤めていた時はいつもお世話になっていて、海外出張から帰ってきてそのまま番組の生放送に向かうボロボロの私に、温かい日本食を用意してくれたり、気分転換にスパの予約を入れてくれたり、と本当に甘えさせてもらっていたHさん。ホテルを辞められたところまでは知っていて、その後連絡も途絶えてしまっていた。「懐かしい! でもどうして?」と思っていたら、なんとこのホテルの支配人になっていたのだった。びっくりすぎる再会イン西表島。けれどもこれは序の口。まだまだびっくりに溢れた島だったのだ。
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