仕事と家庭を両立できないビジネスマンが陥る「言わなくても分かるよね?」のワナ:銀河英雄伝説からビジネスリーダーは何を学ぶべきか?(3/3 ページ)
家庭の失敗が仕事にも悪影響を与えてしまう。そんな経験をしたビジネスパーソンは少なくないだろう。では、そうならないために一体どうすればいいのだろうか?
もう1つ、銀河英雄伝説の名言を引用しましょう。
あなたにとって最も大切なものが何であるか、いつも忘れないようにしてください。時にはそれが煩わしく思えることがあるでしょうけど、失って後悔するより、失われないうちにその貴重さを理解して欲しいの。
アンネローゼ・フォン・グリューネワルト
ラインハルト・フォン・ローエングラムの実姉、アンネローゼが言うように、致命的な出来事が起きて、失ってから後悔しても遅いのです。時間の流れは不可逆であるということを理解し、有耶無耶(うやむや)になっている内容を早期に話し合いましょう。他人同士の"有耶無耶"は時間とともに増幅し、さらには恐ろしいことに複利が効いて、いつの日か弾ける時限爆弾に成り得ます。
共働きの家庭もありますし、片方のパートナーが家庭に入るケースも決して少なくありません。仕事、家庭、個人の何が重要なのかは、それぞれの問題なので深く言及はしません。
ただ、仕事と家庭の両立に何かしらの課題を抱えているビジネスパーソンの方は、自分あるいはパートナーにとって何が最も大事なのかを、一度立ち止まってじっくりと見直す必要があるかもしれませんね。
著者プロフィール
阿部圭司(あべ けいじ)
アナグラム株式会社 代表取締役
大手アパレルメーカーを経て運用型広告の世界へ。現在は運用型広告の運用、改善だけではなく、さまざまなビジネスの最大化を目指す取り組みを支援。著書は「新版 リスティング広告 成功の法則」「いちばんやさしいリスティング広告の教本 人気講師が教える利益を生むネット広告の作り方」など。あったかふくしま観光交流大使を務める。
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