生産性向上の第一人者が厳選した“出社したくなるオフィス”5社:あなたの職場でもきっとできる(5/5 ページ)
NTTデータ、Google、味の素、タマノイ酢、オトバンク……。「テレワーク時代」が到来する中、従来のオフィスの在り方を見直し「社員が来たくなるオフィス」作りに工夫を凝らしている企業もある。
あなたの職場でもきっとできる!
人は楽しいことが好きな生き物だ。ならば、そこに素直になったほうがいい。堅苦しい空間で、堅苦しい服装で、堅苦しいルールにがんじがらめにされていては、良い発想は生まれにくい。自然なコミュニケーションも発生しにくい。当然、モチベーションも組織へのエンゲージメントも下がる。
いままで、日本では「仕事とは理不尽に耐えること」「個性を捨てて、会社にあわせること」を美徳としてきた向きがある。しかし、その同調圧力と画一的な働き方こそが生産性を下げてきた。モチベーションもいたずらに下げてきた。
最近流行している「働き方改革」もしかりだ。政府から押し付けられるだけの改革に楽しさはない。堅苦しい人事制度や、残業削減、コスト削減一辺倒の改革には夢も希望もない。こうして「やらされ感」「誰もトクをしない」停滞ムードが重たく現場に広がる。一方で、現場から変わり始めている企業も間違いなく存在する。そして、そこには楽しさがある。
試しに、あなたの職場でもエンターテインメントを取り入れてはどうだろう? 昨日より少し明るい明日が始まるかもしれない。働き方が多様化し、テレワークも当たり前になりつつある。だからこそ、「場」としてのオフィスの役割はますます重要になるのではないか。
「テレワークvs.オフィスワーク」の構図に意味はない。リモートにはリモートの良さが、対面には対面の良さがあるからだ。企業のビジョンやミッション、社員の価値観や特性に合わせてうまく組み合わせ、相乗効果を出していきたい。
"Office as a Communication Space"(コミュニケーションの場としてのオフィス)。
"Entertainment as a Solution"(ソリューションとしてのエンターテインメント)。
楽しさに素直に。来たくなる良いオフィスを創っていこう。
著者プロフィール
沢渡あまね(さわたりあまね)
業務改善・オフィスコミュニケーション改善士。1975年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業。サラリーマン歴16年。日産自動車、NTTデータ(オフィスソリューション統括部)、大手製薬会社などを経て、2014年秋より現業。IT購買部門、情報システム部門、広報部門などを経験。現在は企業の業務プロセスやインターナルコミュニケーション改善の講演・業務支援・執筆活動などを行っている。NTTデータでは、ITサービスマネージャーとして社内外のサービスデスクやヘルプデスクの立ち上げ・運用・改善やビジネスプロセスアウトソーシングも手がける。趣味はダムめぐり。『職場の問題地図』『仕事の問題地図』「マネージャーの問題地図』(以上、技術評論社)など著書多数。 Twitterは@amane_sawatari 。
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