阪神・金本監督を辞任に追い込み、チームも崩壊させた背景:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/5 ページ)
阪神タイガースの金本知憲監督が今季限りでの辞任を表明した。虎党からは「ホンマかいな」と驚いたかもしれないが、成績不振の責任を取り、指揮官は身を引くことに。それにしても、なぜ金本監督は結果を残すことができなかったのだろうか。原因を探っていくと……。
強い結びつきがあり過ぎた“負の金本ライン”
そんな状況下だから、シーズン中も金本監督は「裸の王様」だった。現役引退後は解説者としてネット裏から野球を見つめ直し、監督に就任したとはいえコーチ業に就いたことはなく未経験のまま指導者となっていた。
そういう立ち位置にいたのだから本来ならば経験豊富で有能なコーチ陣を招へいすべきだったにもかかわらず、「仲良し内閣」と呼ばれるような自分と昵懇(じっこん)の人材で脇を固め、足りない要職はフロントの人脈に頼った。
今季は一軍ヘッド兼務となっていた片岡篤史打撃コーチや香田勲男投手コーチは、強い結びつきがあり過ぎた“負の金本ライン”の最たる例と言っていいかもしれない。ベンチ内で監督に次ぐ重要なポジションにいなければいけないはずの片岡コーチの無策な打撃指導法と首を傾げたくなるような助言、そして香田投手コーチの不可解な投手起用にもメディアやタイガースOBから疑問の声が噴出し、ファンは間違いなく怒っていた。
これまで金本監督に関しては「自分の息がかかっていない首脳陣と意思疎通がうまくいかないところもあるようだ」という指摘も周辺から多数耳にした。それを象徴するかのような話もある。
その金本監督と同じタイミングで二軍監督に就任したミスタータイガースの掛布雅之氏は多くの若手を下で鍛え上げ、間違いなく功績を残していたものの球団側は「役割を十分に果たした」として2年契約最終年となった昨年秋、契約を更新しなかった。
一説には「金本監督と確執があったから掛布さんは、その空気を察したフロントによって現場の要職から外され、SEA(オーナー付シニアエグゼクティブアドバイザー)という事実上の“閑職”に追いやられた」ともささやかれている。
こういう、いびつな人事異動が成されていた背景もあり、フロントが推して就任したコーチたちは金本監督にモノを言いにくくなっていたフシもあったようだ。監督と仲のいいコーチだけが井戸端会議のように集まり、それ以外の首脳陣とは自然と距離感ができる。これでは連携など取れるはずもない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。
阪神タイガースが低迷している“元凶”は誰か
今季もまた阪神タイガースがリーグ優勝を逃そうとしている。リーグ優勝は2005年を最後に今季も含めて、もう13シーズンも縁がない。弱い虎にイライラを募らせているファンは多いだろうが、チームの低迷を招いている元凶は誰か。
マスコミの「感動をありがとう!」が、実はとってもヤバい理由
「感動をありがとう!」の大合唱が日本中に溢れている。『24時間テレビ』で、みやぞんのトライアスロンに心が打たれた人も多いだろう。甲子園で、1人のエースが881球を投げたことに勇気をもらった人もたくさんいるだろう。こうしたムードに対して、筆者の窪田氏は違和感を覚えるという。どういうことかというと……。
“変態セブン”が生まれた背景に、地獄のドミナント戦略
栃木県内にあるセブン-イレブンの店舗が話題になっている。オーナー店長が破天荒すぎる言動を繰り返していて、その動画が公開されたのだ。この問題は「オーナーとエリアマネージャーを叩いて終了」で終わりそうだが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。それは……。
登山家・栗城史多さんを「無謀な死」に追い込んだ、取り巻きの罪
登山家の栗城史多さんがエベレスト登頂に挑戦したものの、下山中に死亡した。「ニートのアルピニスト」として売り出し、多くの若者から支持を集めていたが、登山家としての“実力”はどうだったのか。無謀な死に追い込まれた背景を検証すると……。
卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因
全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で、14歳の張本智和が王者・水谷隼を破って優勝した。最年少優勝の偉業を達成したのに、いまのところ“張本フィーバー”は起きていない。なぜ新王者がいまひとつ支持されないかというと……。
