阪神・金本監督を辞任に追い込み、チームも崩壊させた背景:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/5 ページ)
阪神タイガースの金本知憲監督が今季限りでの辞任を表明した。虎党からは「ホンマかいな」と驚いたかもしれないが、成績不振の責任を取り、指揮官は身を引くことに。それにしても、なぜ金本監督は結果を残すことができなかったのだろうか。原因を探っていくと……。
金本監督に嵐のようなバッシング
昨季終了後、金本監督は球団側と新たに3年契約を締結。昨季は2年契約の最終年で優勝こそ逃したものの2位となり、若手を育成しながら、そこそこの結果を残したとしてつい1年ほど前までは過大なまでに評価されていた。球団幹部も金本監督と心中覚悟で長期的視野に立った猛虎再建のビジョンを描き、すべてを託したはずだった。今思えば、これが「金本ファースト」につながる大きな見当違いの始まりでもあった。
案の定、それも今季の大低迷によって暗転した。特に本拠地のはずの甲子園が今季は鬼門と化し、62試合を戦って球団のワースト負け数を更新する21勝39敗2分け。このホームの借金18が皮肉なことに、そっくりそのままシーズン通算成績に反映されてチームは「平成最後の最下位」に沈んだ。
早々に優勝争いから脱落し、シーズン佳境でも何とか3位滑り込みを狙うのが精いっぱい。そんな体たらくの戦いぶりに対して虎党の怒りは当然のように我慢の限界に達した。借金地獄から抜け出せない無様な戦いが続くようになると球団や親会社の阪神電気鉄道本社にまで抗議電話が殺到し、業務に支障が出るほどのレベルにまでなっていたという。ネットユーザーも連日のように金本監督に嵐のようなバッシングを浴びせ、時に罵詈雑言(ばりぞうごん)まがいの内容も散見された。
「金本は無能監督」
「今すぐ辞めろ!」
こうした類のコメントは見飽きるぐらい、目にした。それが今、実際に金本監督が辞めるとなると「かわいそう」などと手のひら返ししている人が一部にいることには思わず閉口してしまうが、やはり物事を冷静に正しく見て「辞任は妥当」とする声のほうが大勢を占めているようだ。
たぶん「これで阪神は何とか救われた」と万歳三唱を繰り返している人も実際のところ多いのではないか。残念だが、まあ、それは事実だし、仕方がないだろう。
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