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「ルンバ」は日本で普及するのか 「一家に1台」を目指す戦略とは世帯普及率は4.5%(2/3 ページ)

ロボット掃除機「ルンバ」で知られる米iRobot。日本におけるロボット掃除機出荷台数は300万台を超えたが、世帯普及率は4.5%にとどまる。日本市場のニーズに応じた「価格」「機能」を備えた新商品と戦略について、日本法人社長に聞いた。

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――なぜ“自分ごと”にならないのですか? 日本特有の背景もあるのでしょうか。

 日本よりもロボット掃除機が普及している米国では、家事分担の意識が強いように思います。ですから、掃除はロボットにやってもらう、という考え方にあまり抵抗はないようです。

 日本でも、家事を分担するという考え方は広まってきましたが、それでもまだ「ロボットに任せるのは後ろめたい」「自分の手でやればいい」という考え方も根強いのかもしれません。

 「床に物が置いてあるからロボット掃除機を使いづらい」という声もよく聞きます。ですが、ロボット掃除機を使うことが、普段から整理整頓をするように習慣を変えるきっかけになるのではないでしょうか。

――生活習慣や考え方はなかなか変わらないですね。

 変えるのは難しいですが、「働き方改革」が進んでいる今、時代に合った新しいものを取り入れることを受け入れやすくなっていると思います。家電では「時短」という言葉がよく使われますが、ルンバは「時産」です。ルンバが時間を生み出し、その時間で別のことをする。それが豊かな生活につながる。そういった考え方を幅広い層に打ち出していきたいと考えています。

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ルンバが時間を生み出すという「時産」を打ち出していく

日本市場を意識した「価格」と「機能」

――10月26日に発売する「ルンバ e5」は、日本市場のニーズを反映したということですが、どういった部分でしょうか。

 調査によると、ルンバに対して「価格が高い」「本当にきれいになるのか」とイメージ持つ人が多く、それが購入の障壁になっています。そこを解決することが課題でした。

 まず、価格は4万9880円(税別)に設定しました。税別5万円を切る価格帯でありながら、性能面でも妥協しない商品になっています。性能面ではルンバ独自技術の「デュアルアクションブラシ」をさらに進化させました。特殊な形状の突起が付いたブラシで大きなごみも吸い込むことができ、髪の毛などがブラシに絡まることもありません。

 日本のユーザーからの要望が多かった改良も実施しています。丸ごと水洗いできるダスト容器を初めて採用しました。1回の充電による最大稼働時間も90分に伸ばしています。前モデルの60分と比べると1.5倍です。

photophoto 2本のゴムローラーを備えた「デュアルアクションブラシ」(左)。ダスト容器は丸ごと水洗いできる(右)

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