「ルンバ」は日本で普及するのか 「一家に1台」を目指す戦略とは:世帯普及率は4.5%(3/3 ページ)
ロボット掃除機「ルンバ」で知られる米iRobot。日本におけるロボット掃除機出荷台数は300万台を超えたが、世帯普及率は4.5%にとどまる。日本市場のニーズに応じた「価格」「機能」を備えた新商品と戦略について、日本法人社長に聞いた。
――普及のためには、商品の力に加えて、販売やサービスの取り組みも重要になります。どのような取り組みをしていくのでしょうか。
家電量販店やネット通販企業などと連携を深めるため、7月に「認定販売店制度」を導入しました。大手量販店などと取り組みを始めていますが、「e5」の発売をきっかけに、「店頭で分かりやすく伝える」活動を本格的にやっていきます。
具体的には、デモンストレーションやショーケースによって、稼働の様子やブラシなどの部品を見せる工夫をしたり、販売員が知識を持って説明できるようにするためのトレーニングを実施したりしていきます。ロボット掃除機は、商品が並んでいるだけではどれも同じように見えます。裏側のブラシ部分やダスト容器などをしっかりと見せて、独自性を知ってもらいたいと考えています。
5年後に「普及率10%」を目指す
――ロボット掃除機を「一家に1台」という目標を実現するために、アイロボットが日本で目指すブランド像とはどのようなものでしょうか。
耐久消費財の普及率は10%を超えると、その後はぐんと伸びていく傾向があります。まずは5年後の23年に世帯普及率を10%に引き上げることを目指しています。
ただ、私たちは掃除機ではなく「ロボット」のメーカーです。ロボット掃除機によって「家の中のどこに何があるか」という位置情報や空間情報を認識する技術を向上させて、それを新たなサービスにつなげていくことが重要です。
目指すのは「生活をより豊かにする」こと。生活の中に新たな時間が生まれれば、充実した人生を築くきっかけになる。それをサポートするパートナーになれると考えています。
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