ウェンディーズ×ファーストキッチン イマイチだった両者のコラボ店が人気の理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
「ファーストキッチン」と「ウェンディーズ」がコラボした業態が売り上げを伸ばしている。2015年から始めたこの取り組みは成功を重ね、わずか3年で40店も増えた。快進撃の秘密を探る。
今後の狙いは
18年9月にオープンした「ウェンディーズ・ファーストキッチン原宿竹下通り店」(東京・渋谷)は、新たな旗艦店に位置付けられ、同チェーンで初めてタピオカを販売した。また、出入口付近に、米国でしか買えなかった「WENDYちゃん」グッズのコーナーを初めて設置。顧客がスマホで撮影した画像をラテアートにできる、最新のコーヒーマシンも初めて設置した。「今まで弱かった10代を取り込み、世界に発信したい」と比嘉氏は抱負を述べた。
なお、同チェーンでは人手不足に対応するため、無人レジの導入を進めている。パレットタウン店(東京・江東)で検証していたが、10月18日には原宿竹下通り店にも導入された。日本語の他、英語、中国語、韓国語にも対応しており、インバウンドの外国人観光客に好評である。
18年からは従来のようなファーストキッチンからの転換ばかりではなく、新規の店としてウェンディーズ・ファーストキッチンを出店し始めており、原宿竹下通り店で3店目となった。今後は、このような新規出店も加速させる予定だ。
熱烈なファンを持ちながら、日本でなかなかブレイクできなかったウェンディーズが、比嘉氏とサントリーによるファーストキッチンとのコラボ店という、誰もが思いもよらなかったウルトラCのソリューションで、ついにブレイクしようとしている。
どこまで店舗を伸ばせるか。注目したい。
アーネスト・M・比嘉会長(右)と米国ウェンディーズのメンバー。左から、ダリル・ベアラー(インターナショナル地域開発部長)、ブランドン・ガスリー(インターナショナル地域財務部主任)、トニー・バー(インターナショナル・マーケティング部長)
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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