千趣会、280人リストラを正式発表 社長辞任、本社移転も:業績不振受け大ナタ
千趣会が希望退職者を募集すると正式発表。社長の交代と本社の移転も実施する。通期業績の下方修正と、新体制での役員報酬の減額も発表された。
通販サービス「ベルメゾン」を運営する千趣会は10月26日、業績不振からの立て直しを図るための構造改革の一環で、同社とグループ3社から計280人の希望退職者を募集すると発表した。一部で報じられた通り、星野裕幸社長は辞任し、本社も移転する。
希望退職者を募るのは、千趣会、千趣会ゼネラルサービス、千趣ビジネスサービス、千趣会サービス・販売。同日時点で45歳以上の正社員と契約社員が対象で、11月26日〜12月7日にかけて募集を受け付け、退職日は12月31日付。退職者には特別退職金を支給するほか、希望があれば再就職支援会社を通じた再就職支援も行う。
近年の業績不振の責任を取る形で、星野裕幸社長が10月31日付で辞任し、顧問に退く。後任として現取締役執行役員の梶原健司氏が昇格し、11月1日付で社長に就く。
また、コスト削減の一環で賃貸借物件の見直しを図るため、大阪本社と東京本社を移転する。これまで分散していたグループ各社の拠点を集約する狙いもあるという。新社屋は、大阪本社は大阪市北区、東京本社は東京都台東区。移転日は、大阪本社は1月中旬、東京本社は12月25日の予定。
ただ今後、希望退職者の募集に伴う特別退職金を特別損失として計上する見込みになったほか、通販サービスの不調も続いていることから、同社は2018年12月期(18年1〜12月)の通期業績予想を下方修正。売上高は前回予想比65億円減の1125億円、営業損益は63億円〜73億円減となる60億〜70億円の赤字、純損益は92億円〜105億円減となる90億円〜103億円の赤字を見込む。
業績不振の責任を取り、新体制発足後、取締役は19年3月まで5カ月間、月額報酬を900万円減額する(1300万円から400万円)。監査役も月額報酬の10%を自主返上する。
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