SBI証券とCCCが新会社 株式投資で「Tポイント」がたまる・使える:狙いは若者
SBI証券とCCCマーケティングが合弁会社「SBIネオモバイル証券」設立を正式発表。2019年春から「Tポイント」を使って金融商品を購入できるサービス「Tポイント投資」を始める。若年層をターゲットとし、スマホで簡単に取引できる仕組みを設ける。
SBI証券とCCCマーケティングは10月30日、合弁会社「SBIネオモバイル証券」を同日付で設立し、2019年春から「Tポイント」を使って金融商品を購入できるサービス「Tポイント投資」を始めると発表した。若年層をターゲットとし、スマートフォンで簡単に取引できる仕組みを採用するという。
資本金は30億円で、SBI証券の高村正人社長が会長、小川裕之取締役が社長に就く。出資比率はSBI証券が95%、CCCマーケティングが5%。
SBI証券は440万件超の総合口座数を有し、国内の個人株式委託売買代金では30%以上のシェアを占める。CCCマーケティングが手掛けるTポイントの会員は6788万人に上るほか、20代の82.3%が利用している。
そのため新会社では両社の強みを生かし、若年層や投資未経験層向けのサービスを展開する。
「Tポイント」がたまる・使える
新会社の主な商材は、国内株式とロボットアドバイザー「WealthNavi」を活用した資産運用。売買などの際に取引額に応じてTポイントがたまり、たまった分を取引に使える仕組みを採用する。
SBI証券の既存顧客にも、取引時のTポイントの付与・使用に対応していく方針だ。
ドコモとは異なり「ポイントそのものは増えない」
ポイントを活用した投資では、投資信託の基準価額に連動して「dポイント」が増減するサービスをNTTドコモが展開しているが、新会社が手掛けるサービスは「ドコモとは異なり、Tポイント自体は投資の対象にならない。あくまで取引時に使える方向で検討している」(SBI証券の広報担当者)という。
スマホ特化の操作環境
さらに、若年層が簡単に操作・取引できるよう、使い勝手の面でも工夫し、スマートフォンに特化した取引環境を設ける。
「アプリかブラウザかは検討中。前者を採用した場合は、スマホのみで取引できる仕様になるが、タブレットにも対応する可能性はある。後者を採用した場合はPCでも取引できるが、スマホに適したUI(ユーザーインタフェース)を採用する。従来の当社の取引環境は操作のハードルが高かったため、簡略化することで若者の利用を喚起する」(同)
詳細は未定だが、新会社では安価な手数料体系も採用する予定。「SBI証券の手数料体系から値下げすることも検討している」(同)という。
このほか、「Tカード」の使用履歴や購買履歴を基に、ユーザーに適した株式の銘柄をレコメンドする情報配信サービスの実施も視野に入れている。
SBI証券は「より身近かつ手軽に資産形成ができるインフラ作りを目指す」としている。
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