バイトが長く働く鍵は「初日の受け入れ方」:現場で行うべき基本の4ステップ(2/4 ページ)
新人アルバイト・パートを迎える初日の受け入れ体制や初期トレーニングのあり方は、アルバイト・パートの採用後の定着やモチベーションを大きく左右します。本稿ではそのために基本となる4つのステップを紹介します。
ステップ2:初日の不安を解消し、スムーズに働き始める事前準備
店舗・営業所によっては、新人に特段レクチャーすることもなく、初日から「とりあえず、やってみて」と、経験のあるスタッフと同等の仕事を与えるケースがありますが、初日から不用意に業務に就かせることは不安を増幅させる要因になりかねません。
最近では、初日は新人を現場に立たせない、業務をさせないという会社が増えています。初日を、契約書類の記入など事務的なやり取りに使ったり、翌日からスムーズに働き始められるようにするための準備日と位置付けて、店舗・営業所など職場内のツアーを行いながら、出入口やロッカーの使い方、ユニフォームの着用方法、出勤から退勤までの一連の流れの説明に使ったりするのです。
働くにあたっての心構えを認識させるために、経営理念やポリシー、行動指針などを伝える会社もあります。会社の一員としての自覚を促すことが期待でき、有効な初日の使い方といえます。
また、よくある「新人の不安」にもかかわらず、受け入れ側が気付かず説明があまりなされないものに、「アルバイト・パートはどの出入口を利用するのか」や「トイレはお客さまと共同利用か」、「勤務時間中、貴重品はどうするのか」といった素朴なものも含まれます。
どんなことに不安を抱いているのかを新人本人に直接聞き、それぞれの不安や疑問に答えることもひとつの方法です。「どんな仕事をすることになるのか」も新人が感じがちな不安のひとつです。特に裏方の仕事は外部から仕事内容が推し量れないため、初日に現場の様子を見せたり、具体的に仕事内容を説明したりすることが不安の払拭に効果的です。
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