大阪勢が東京に“殴り込み” 過熱する高級食パン戦争:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/7 ページ)
大阪でスタートした高級食パン専門店が東京に進出してきている。一方、東京でも高級食パン専門店が次々とオープンしている。過熱する高級食パン戦争の行方は?
俺のベーカリー&カフェも参戦
このセントルザベーカリーをベンチマークしたと思われるのが、恵比寿ガーデンプレイス(東京都渋谷区および目黒区)に16年11月にオープンした「俺のベーカリー&カフェ」だ。
当初は3種類の食パンを売っていたが、今は6種類に拡充した。生食用の「銀座の食パン」は、「〜香〜(1000円)」と「〜夢〜(900円)」の2種類あり、2斤のサイズである。価格はセントルザベーカリーより少し高めだ。〜香〜は北海道産小麦「キタノカオリ」をメインとしたオリジナルブレンドの小麦と、岩手県なかほら牧場の自然放牧牛から搾った牛乳の風味を生かした商品。
この店で最も人気の商品は毎朝10時に焼き上がる限定商品「マスカルポーネとはちみつの食パン」(900円)だ。生地全体にマスカルポーネチーズとハチミツが練り込まれているので、香り高くほのかな甘みがあり、これを目当てに朝から行列ができている。
食パン販売は午前10時からだが、併設のカフェは午前8時から開く。パンを予約した人たちが、焼きあがるまでカフェで朝食を食べながら待っている光景をよく見かける。
食パンで復活?
俺のシリーズは、坂本孝社長と共に会社を成長させてきた、腹心の副社長、専務、料理長が次々と同社を辞めたことで、一時期調子を崩していた。しかし、俺のベーカリー&カフェのヒットで息を吹き返してきている。
俺のベーカリー&カフェは18年になって、都内に3店、川崎市内に1店を出店して、首都圏に6店を展開するまでになった。また、「俺のグリル&ベーカリー」も8月、大手町(東京都千代田区)にオープンした。
元ドミニク・サブロンの榎本哲氏が立ち上げ時に食パンをプロデュース。パリの高級ブーランジェリー「ドミニク・サブロン」は15年2月に日本から事業を撤退していて、その高い技術を備えた人材を受け入れた格好だ。
カフェではトースト(480円)だけでなく、俺のシリーズ各店の腕利きシェフが手掛けたサンドイッチなどが味わえる。人気の「厚焼きたまごのサンドイッチ」(680円)は〜香〜を使用。飲み物はブレンドコーヒ(380円)などをそろえる。
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