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熊田曜子親子拒否事件に見る、正しい点と間違った点親1人に子は2人まで(2/4 ページ)

3人の子持ちである熊田曜子さんが、墨田区の児童館の中の施設に入ろうとしたところ、「親一人に子は二人まで」という規制で入れない事件がありました。融通の利かない施設への批判が出ていますが、制度運営側とユーザー側の折り合う点はあるでしょうか?

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(2)ホテルコンシェルジェと立食いそば屋のおばちゃんのサービスは同じ

 映画などでの高級ホテルのシーンでは、ロビーのゴージャスなソファでホテルのコンシェルジェが丁寧に大富豪に対応している光景を見たことがあります。一方私が泊まる時はせせこましくフロントでインターネット予約番号をスマホで探したり、ポイントカードを財布からあわてて探したりですが、きっとコンシェルジェがいればさまざまなサービスを提供してくれるのでしょう。ぜひ「この手紙を〇〇さんに届けて。バラを添えて」のようなサービスも頼んでみたいものです。

 実際にコンシェルジェを使ったことがないので、どこまでのサービスに応じてくれるのか知りませんが、大金を使ってくれる大金持ちには徹底したゴージャスなサービスを提供するのは、ハイペイ・ハイサービスの典型です。一方、ポイント貯めて割引料金で泊まろうとする私には料金分最低限でのサービスをということで、これぞサービスの基本です。コンシェルジェの真裏に位置する、立食いそば屋も正しいサービス提供だといえます。安い売価での商品提供に沿った、価格相応のサービスを提供しているからです。立食いそば屋で、そばのゆで方や蕎麦湯の温度に文句を言う方が悪いのです。

 つまりハイペイ・ハイサービスも、逆のローペイ・ローサービスも、どちらも経済の原則として正しいものです。

 しかしよくある「ローペイ・ハイサービス」というのは、立食いそば屋にホテルサービスを求めるのと同じ、モンスター行為です。売価に見合わないサービス提供をうたうことこそ、やりがい搾取やモンスタークレーマーを育てることになります。それは価格設定が間違っているのであり、高いフィーを取らずに高いサービスを提供することが間違いであるという当然のことを、特に日本社会では強く経営者が実践しないことでブラック企業が生まれるといえるでしょう。

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