インタビュー
岡山のスーパーが、膨大なデータを分析するワケ:水曜インタビュー劇場(情報公演)(1/6 ページ)
岡山のスーパー「マルイ」が、ちょっと面白いことをしている。店舗の客数、売り上げ、単価などをリアルタイムで知ることができ、次の一手を考えているのだ。なぜ膨大なデータを分析しているのかというと……。
岡山県津山市に本社を構えるスーパーが、ちょっと面白い取り組みをしている。その名は「マルイ」だ。社名を言っても、行ったことも、見たことも、聞いたこともない人が多いかもしれないので、簡単に紹介しよう。
マルイは1931年(昭和6年)に食料品店として産声をあげた。ちなみに、日本で初めて「セルフサービス方式」を導入したのは紀ノ国屋で、53年(昭和28年)のことである。セルフサービスとは、買い物カゴが備えられていて、商品に値段が表示されていて、レジがあることを意味する。「なんだよ、スーパーのことじゃないか」と思われたかもしれないが、その通りである。
というわけで、「日本で初めてのスーパーはどこ?」と聞かれたら、正解は「紀ノ国屋」である。そんな雑学を紹介しながら、話を戻す。いまでは当たり前のように感じるが、マルイは58年にセルフサービスを導入する。当時、全国で7番目、西日本では第一号というスピードだったのだ。
2018年4月末時点、マルイは岡山と鳥取に24店舗を構える。売上高は254億円で、従業員は1400人。典型的な地域密着型のスーパーは、どんな取り組みを始めたのか。キーワードは「可視化」である。同社の松田欣也社長と中山益文常務に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
関連記事
- 東京で「フードトラック」が、どんどん増えている秘密
平日の昼。毎日同じようなモノを食べていて、飽きているビジネスパーソンも多いのでは。そんなランチ難民とも言える人を救うかもしれないサービスが登場している。フードトラックと空きスペースがあるオフィスビルをマッチングさせるサービスで、そこで提供されるランチを利用する人が増えているのだ。 - 700台のカメラを設置して、スーパーの「トライアル」は何を分析しているのか
スーパーマーケットの「トライアル」が、近未来を感じさせられる店舗を構えた。店内には700台のカメラを設置して、人の動きや商品棚をウォッチしているという。最先端の技術を導入して、どんなことが分かってきたのか。 - 6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
6畳弱の狭い物件が人気を集めていることをご存じだろうか。物件名は「QUQURI(ククリ)」。運営をしているピリタスの社長に、その理由を聞いたところ……。 - えっ、CDプレーヤーが売れている? エスキュービズムの戦略が面白い
ポータブルタイプのCDプレーヤー市場が面白いことになっている。市場が縮小していくなかで、新興メーカーのエスキュービズムが発売したところ、ある層を中心に売れているのだ。「CDプレーヤーなんてオワコンでしょ」と言われているなかで、どういった人たちが購入しているのか。 - サラリーマンの味方「切腹最中」は、なぜ1日に7000個も売れるのか
お詫びの手土産として、多くのサラリーマンが購入する「切腹最中(せっぷくもなか)」をご存じだろうか。1990年に発売したところ、当初は注目されていなかったが、いまでは多い日に7000個以上売れている。「切腹」という言葉が入っているのに、なぜヒット商品に成長したのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.