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医師の命は軽い? 過労自殺を生み続ける“加害者”の正体:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(3/4 ページ)
「過労死」「過労自殺」は何度も問題になっているが、2018年版「過労死白書」では働く人たちの苦悩が続いている現状が浮き彫りになった。過労自殺は長時間労働だけが問題なのではない。教職員や医師・看護師の働き方の分析から、私たちが考えるべきこととは?
「教職員」「医師・看護師」のストレス要因
そして、今回の白書では、過労死等が多いとされる「教職員」「医師・看護師」の働き過ぎや精神的ストレス要因を分析した結果も盛り込まれました(以下、白書より抜粋)。
【教職員】
- 1日の平均勤務時間は11時間17分
- 忙しい時期の1日の勤務時間は「12時間超14時間以下」が38.6%でトップ。「14時間超16時間以下」は15.5%
- 忙しくない時期の1日の勤務時間が「10時間超12時間以下」との回答は、半数を超える50.2%
- 残業の理由は「自分が行わなければならない業務量が多い」が7割弱で最多
- ストレスの要因は「長時間勤務の多さ」がトップで、次いで「職場の人間関係」「保護者・PTAへの対応」。学校に無理な要求をする親「モンスターペアレント」への対応が、大きな要因になっていることが分かった
【医師・看護師】
- 医師が残業する理由は「救急や入院患者の緊急対応」が71.1%でトップ。次いで「手術や外来の診察時間延長」「患者(家族)への説明」
- 医師のストレス要因は「個別患者の様子(容体や経過等)」(39.9%)、「休日・休暇の少なさ」「患者(家族)からのクレーム対応・訴訟」(共に34.0%)で、患者からのクレームや暴力・暴言が精神的なストレスになっていた
- 月の残業時間が「過労死ライン」とされる100時間を超える医師がいる病院は12.3%
- 看護師のストレス要因は「職場の人間関係」(41.8%)、「夜勤の負担」(37.8%)、「時間外労働」(36.7%)
……さて、いかがでしょう?
教職員や医師・看護師が長時間労働であることは、メディアでも何度も報じられてきました。その一方で、子供の親や患者の家族との問題が、過労自殺と結び付けられることはあまりありません。
上記を見れば分かる通り、「『私たち』自身が、現場の人たちのストレスの原因になっている」ことが、明らかになってしまったのです。
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