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喫煙者が「プルーム・テック」に換えると、有害物質は禁煙並みに減る――JTが安全性強調臨床試験結果を発表(2/2 ページ)

JTが、プルーム・テックの安全性を調べるための臨床試験結果を発表。紙巻きたばこから同商品に切り替えた場合、体内の有害物質は禁煙した場合と同じくらい低減することが分かったという。来春までに発売予定の新モデルの安全も今後検証していく方針。

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監修した医師「かなりの驚き」

 例えば、プルーム・テックに切り替えた人・禁煙した人ともに、発がん性があるアクリロニトリルの24時間当たりの暴露量は、事前調査期間は約90マイクログラムだったが、3日目に約20マイクログラムに低下。5日目にも同等の数値を記録した。

 同じく発がん性物質であるNNK(タバコ特異的ニトロソアミンの一種)の量は、事前調査期間は約110マイクログラムだったが、3日目に約50マイクログラム、5日目に約40マイクログラムに減った。

 他の物質もほぼ同様に推移していたが、プルーム・テック用のカプセルはタバコ葉を使用していることから、ニコチン量の低減率では差が出る結果に。プルーム・テックに切り替えた人から検出されたニコチン量は約5ミリグラムで、紙巻きたばこの使用者(約10ミリグラム)よりは少なかったものの、禁煙した人(約0ミリグラム)を上回った。

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実験結果の一例

 こうした結果を踏まえ、試験を監修した、北里大学医学部附属 臨床研究センターの熊谷雄治教授は「ニコチンは若干難しい結果が出たものの、それ以外の物質の暴露マーカー(暴露量)が禁煙者と同じだったのはかなりの驚きだった」と明かす。

 「きちんと実験しなければ分からないが、すでに禁煙している人を被験者に選んだ場合でも、同じような結果が出るだろう」という。

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実験結果の一例

 ただ、暴露した物質が被験者の体に及ぼす影響を調べるためには、今回と同じ5日間では難しく、より長い期間が必要と判断。「喫煙者がプルーム・テックに切り替えることで、疾病に罹患(りかん)するリスクを低減できる可能性が高いことは分かったが、断言はできない。引き続き調査を進めていく」とした。

新モデルの詳細は「状況が整い次第発表する」

 JTは19年3月末までに、吸い応えを向上させた低温加熱式の「Ploom TECH+」と、高温加熱式の「Ploom S」の新モデル2機種を投入する予定だが、これらに対しても臨床試験を行い、「さまざまなデータやエビデンスを取っていきたい」(福地執行役員)とした。

 報道陣からは、2機種は現行モデルよりも安全性が高くなるのか――という問いも出たが、福地執行役員は明言を避けた。

 JTの広報担当者は、新モデルの詳細を「状況が整い次第発表する」としている。

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JTが来春までに発売予定の新モデル(=決算資料より)
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