5年間ヒトヤスミしていたのに、なぜ「一休」は再成長したのか:水曜インタビュー劇場(45%増公演)(5/6 ページ)
宿泊予約サイトを運営する「一休」の取扱高が、伸びに伸びている。2007年〜11年にかけては伸び悩んでいたのに、なぜ再成長したのか。その秘密について、同社の榊社長に聞いたところ……。
高級宿に泊まる人が増えている背景
土肥: 2016年〜17年にかけての取扱高を見ると、急増していますよね。45%も伸びていますが、この要因は?
榊: 16年に、ヤフーさんの子会社になったことが大きいですね。先方からのトラフィックをいただいているので、ここまで成長することができました。ただ内訳を見ると、一休だけで20%ほど伸びている。この流れは続いていて、17〜18年も同じくらいの数字(45%増)になりそうです。
土肥: なぜそれほど伸ばすことができているのか。先ほど、「視線を『お客さん』に向けた」という話を聞きましたが、社会的な背景もあるのでは? 例えば、コト消費が大きく影響しているとか。
榊: 社会的な背景でいえば、2つあると考えています。1つは、富裕層が増えたこと。以前と比べて、起業しやすくなっているので、若くても成功している人が多い。こうした背景があって、「高級なホテルに泊まろうか」という人が増えているのでしょう。
もう1つは、共働きの夫婦が増えたこと。共働き夫婦って、休みの日がなかなか合わないですよね。「10日間の休みがとれたので、一緒にハワイに行く」のは難しい。そうすると、「3カ月に一度、高級な旅館に泊まるか。そこでゆっくりしよう」という人が増えているんですよね。女性の社会進出が増えれば増えるほど、時間が貴重なものになっていくのではないでしょうか。
もちろん、コートを買って、時計を買って、それで幸せを感じる人もたくさんいる。一方で、心も体も疲れているので、部屋に付いている露天風呂でゆっくりしたいという人が増えてきたのではないでしょうか。
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