最後までアツアツ ふらんす亭創業者が仕掛ける新型ステーキ店:1人でも気軽に入店(1/4 ページ)
ステーキとカレーが名物の「ふらんす亭」創業者がステーキの新店をオープンした。自分で焼き加減を調整できたり、最後までアツアツで食べられる工夫をしている。人生の「集大成」と位置付ける新店のビジネスモデルとは?
レストラン向けに業務用冷凍ソースの製造・販売などを手掛けるオリエンタルフーズ(埼玉県川口市)は、自分の好きなように焼き加減を調整できるステーキ店「MANDYS CUBE STEAK(マンディーズキューブステーキ)」を11月27日にオープンする。
オリエンタルフーズの松尾満治社長は、1979年、下北沢(東京都世田谷区)でステーキ店「ふらんす亭」を創業し、チェーン化した人物。しばらく飲食店運営から遠ざかっていたが、自身の「集大成」として新店オープンに踏み切った。
マンディーズのビジネスモデルはどのようになっているのだろうか。
最後までアツアツのステーキを食べられる
松尾社長は新店オープンのあいさつで、ステーキの弱点を2点挙げた。
1点目は、分厚くて大きいサイズのステーキを注文するお客が多い一方、食べ終わる頃には冷えてしまうこと。2点目は、肉汁を1滴も逃さずに焼き上げるのが難しいことだ。そこで、マンディーズではこれらの弱点を克服しつつ、高品質なステーキを低価格で提供することを目指す。
まず、うまみを閉じ込めるために、肉全体を高温の油にくぐらせることにした。これは、中華料理で「油通し」と呼ばれるテクニックだ。油にくぐらせたあとの肉は、厨房で「スキレット」と呼ばれる小さなフライパンで加熱する。その後、スキレットをお客の待つテーブルに運ぶ。テーブルには固形燃料がセットされた1人用コンロが置かれており、お客は自分の好きな焼き加減で最後までアツアツのステーキが食べられるようになっている。
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