3割の人は「キャッシュレス社会」を望んでいない 「決済手段多すぎ」とサービス乱立に戸惑う声も……:30〜40代は特に後ろ向き
近接通信ソリューションなどを提供するスマート・ソリューション・テクノロジーはこのほど、キャッシュレス社会に対する意識調査の結果を発表。多くの人がキャッシュレス社会はいずれはやってくると考えていることが分かった。
近接通信ソリューションなどを提供するスマート・ソリューション・テクノロジー(東京都新宿区)はこのほど、キャッシュレス社会に対する意識調査の結果を発表した。キャッシュレス社会の到来については「10年以内」にやってくると考える人が58.3%、「10年より先」にやってくると考える人は17.5%と、多くの人がキャッシュレス社会はいずれはやってくると考えていることが分かった。
だが、キャッシュレス社会を望んでいるのか聞いたところ、「なってほしい」と回答した人は28.2%にとどまり、33.0%は「なってほしくない」、38.8%は「分からない」と回答した。
キャッシュレス社会に対し後ろ向きな理由については「震災の時など、電気が使えない時などが不安」(54.5%)を挙げた人が最も多く、次いで「セキュリティが不安」(42.7%)、「個人情報の流出が心配」(40.8%)などが挙げられた。
中には「決済手段が多すぎてどれを使えばいいか分からない」(35.9%)と、決済サービスの乱立に戸惑っているとの声も寄せられた。
SMART SOUND LABは「キャッシュレス社会の到来にネガティブな印象を持っているのが、30〜40代の働きざかりに集中していることが分かった。30〜40代はクレジットカード、ICカード、プリペイドカード、スマートフォン決済――といったキャッシュレスに関するさまざまなサービスを実際に使ってきた年齢層。実体験から新しいサービスが必ずしも理想ほど便利に利用できないことを実感しているのでは」と分析している。
調査は11月に、北海道・東京都・愛知県・大阪府・福岡県に住む20〜59歳100人を対象にインターネット上で実施した。
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