「毎日コツコツと努力を重ね、ついに見えてきた夢」 AKB48・岡田奈々の信念:アイドルというキャリア(6/6 ページ)
小さいころから歌手になりたいと思っていた岡田奈々さんは、14歳でAKB48に入り、アイドルという仕事に就いた。プロとして働く中でさまざまな経験を積み、自らの生きがいや新たな夢を見いだしたという。
2つの明確な目標
これから先、岡田さんはどんなキャリアを歩んでいくのか。明確な目標が2つある。
1つ目は、もし来年も選抜総選挙が開催されれば、そこで1位を獲ること。これまで参加した6回の選抜総選挙を振り返ると、圏外(2013年)、51位(14年)、29位(15年)、14位(16年)、9位(17年)、5位(18年)と、着実に順位を上げてきている。
「私は目の前のことを1つずつこなしていくタイプ。無理に上に行こうとするのではなく、ゆっくりでもいいから着実に前に進むことを私は選びます。例えば、すぐにセンターに立ちたいなど、どうしても前のめりな気持ちが出てしまいがちですが、私にとっては、いろいろな失敗をしながらも、めげずに、着実に進んで行くことが、一番の成功の近道かなと思います。何事も急がず、毎日コツコツと努力を積み重ねていくことが大事ですね」
そして、ついにトップの座を目指せるポジションにやって来たわけだが、5位から1位の差を埋めるには何が必要だろうか。
「うーん。ありすぎますね。足りないものが。まだまだ経験も浅いですし、技術的な面でのパフォーマンスもそうだし、アイドルとしての一般的な知名度もまだまだです」と岡田さんは謙遜するが、1位を獲ったその先に見える世界をぜひともこの目で見てみたいとも意気込む。
もう1つの目標がソロデビューだ。歌が好きで好きでたまらなくて、小さなころに抱いた、歌手になるという夢を叶えるためにこの世界に飛び込んだ。チームでのソロパートから始まり、持ち前のコツコツ型の努力を積み重ね、18年にはシングルCDで念願の初センターを任された。さらには初のソロコンサートも実現した。
AKB48グループの中でも岡田さんの歌唱力は群を抜いている。現在行われている「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」でも予選をトップ通過した。実力は元々兼ね備えているのだ。歌手としてさらに飛躍するために、岡田奈々という一人のシンガーとしてソロデビューすることが今の彼女の夢である。
「これまでグループで活動して、大人数でやってきました。今年ついに一人でステージに立つことを経験し、すごく幸せな時間を過ごしました。これからも好きなことを仕事にしたいので、ソロデビューを目標にAKB48としてやっていきたいと思っています。一人でステージに立ち、一人でも多くの皆さんに歌で何かを伝えられる人間になりたいです」
5年後、10年後、岡田さんはどのような道を進んでいるのか。それは誰にも分からない。ただ言えるのは、数々の逆境を乗り越えてきた者は強くなり、他人に対して優しい人間になるものだ。そして、そういう人間に人々はひかれていくのである。若くして喜怒哀楽さまざまな経験をした岡田さんの活躍の場は、もっともっと大きなものになるだろう。彼女の目の前にある未来は果てしなく広がっている。
「人生は1度きり。失敗や過ちを繰り返して人は成長すると思うので、恐れることなく いろいろなことに挑戦して、最後には辛いことよりも楽しいことを思い出せる人生でありたいです」
(了)
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