コラム
なぜ人は「あおり運転」に手を染めてしまうのか:普通の人も犯罪者予備軍だ(3/3 ページ)
東名高速道路で悪質なあおり運転を受け、一家4人が死傷する事故が起きるなど、あおり運転の危険性が世間を騒がせている。この事件以外にも、“普通の人”があおり運転に手を染めるケースもあるという。なぜ人はあおりたくなるのか。どうすれば衝動を抑えられるのか。日本アンガ―マネジメント協会の安藤俊介理事長に聞いた。
決してあおり返すな、外に出るな
ただ、こうした心掛けによって衝動を抑えていても、道路で見知らぬ車にあおられ、自分が被害者になるリスクもある。こうした場合はどう対処すればいいのか。
安藤氏は「自分自身が他の車にあおられた場合も、決してあおり返してはいけない。やり過ごすのが一番だ、繰り返しになるが、運転の目的は安全に目的地に到着すること。エネルギーはけんかではなく、他の大切な事にとっておくべきだ」と強調する。
「もし相手のドライバーが『降りて来いよ』などと挑発してきた場合も、決して窓を開けたり外に出たりしないように。車内に残ったまま、速やかに警察を呼ぶのがベストだ」
自動運転の時代が来れば……
運転中にイライラしてしまう人を減らすため、日々啓蒙(けいもう)活動を行っている安藤氏は、あおり運転を巡る事件や被害をゼロにするためにも、自動運転の技術が実用化される時代が早く訪れてほしいと願っている。
「車は便利な反面、ドライバーの一時的な怒りや不注意で人を死なせてしまう負の側面を持っている。これを解消するため、技術が進歩し、人が運転しなくてもいい時代が来てほしい」
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