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「5G」をめぐる米中戦争 ファーウェイ排除とソフトバンクが抱えるリスクマネーの達人(1/6 ページ)

米国を中心に、中国通信機器大手ファーウェイの製品を排除する動きが広がっています。米中貿易戦争の本質は「5G」時代のIT覇権争いです。ファーウェイの通信網を使うソフトバンクのリスクも浮き彫りになっており、日本企業も方針転換が迫られるでしょう。

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マネーの達人

ファーウェイ・ショック

 中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が、米国の対イラン制裁に違反した疑いでカナダのバンクーバーで同国当局に逮捕された。カナダ紙グローブ・アンド・メールが5日に報じた。米国に引き渡される可能性があるという……12月6日朝のロイター通信の記事です。

 逮捕容疑の詳細は分かりませんが、米国が経済制裁をしているイランに対して、ファーウェイ製スマートフォン等販売の取引をし、その決済金について、英国金融機関HSBC経由で、商取引とは分からないような金融取引を行い、そのことがHSBCから米国側に伝わったとされています。

 米国は、ファーウェイと中興通訊(ZTE)との取引を見直し、ファーウェイ通信網を使わないこととし、日本や欧州にも同様にファーウェイとZTE商品の政府調達を禁止するよう伝え、早速日本は米国に従うことを発表しました。

 日本政府調達において、中国通信機器大手のファーウェイとZTEの製品を各府省庁や自衛隊で使う情報通信機器から事実上、排除する方針を発表しました。

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米国を中心に、中国企業の通信機器を排除する動きが広がっている(写真提供:ゲッティイメージズ)

 ファーウェイは、1987年に任正非・現CEOによって設立された通信機器メーカーで、その事業内容は、通信機器、通信装置、ソリューション、通信基地局設備などの研究開発、中継局供給、ネットワーク構築となっています。

 世界170カ国で製品・サービスを手掛けていて、2017年12月期売上高は約10兆円。今年、世界でのスマホシェアは米アップルを抜いて、韓国のサムスンに次ぐ世界2位となっています。

 またファーウェイは通信基地局数世界第1位で、すでに66カ国の通信会社向けに約1万件の基地局を出荷しています。

 世界170カ国の内訳は、欧州やアフリカが多く、アジアや中東、南米にも拡大しています。

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