「5G」をめぐる米中戦争 ファーウェイ排除とソフトバンクが抱えるリスク:マネーの達人(2/6 ページ)
米国を中心に、中国通信機器大手ファーウェイの製品を排除する動きが広がっています。米中貿易戦争の本質は「5G」時代のIT覇権争いです。ファーウェイの通信網を使うソフトバンクのリスクも浮き彫りになっており、日本企業も方針転換が迫られるでしょう。
今回逮捕された孟晩舟CFOは、創設者任正非CEOの実の娘になります。両親が離婚して母方の姓を名乗ることで、長くこのことは知らされることはありませんでした。
創業者の任正非CEOは人民解放軍出身で、中国政府との関係が深いともうわさされていて、そのことからかねてより、ファーウェイとの取引に関して、安全保障面からさまざまな指摘があったようです。
中国のスパイ疑惑
今から6年前の12年10月、米下院情報常設特別委員会から「中国の通信機器会社であるファーウェイとZTEによりもたらされる米国の国家安全保障問題に関する報告書」が出されています。
当時の両社従業員に聞き取り調査を行った結果「中国には、悪意のある目的のために、電気通信会社を通じて、米国で販売される中国製の電気通信の構成品およびシステムに、悪意のあるハードウェアまたはソフトウェアを埋め込む可能性がある」と報告しています。
議会が諜報活動に両社が使われる可能性を指摘していました。またアップル製品に、中国による不正チップが埋め込まれているという話もありましたし、何よりトランプ大統領自ら、「iPhone」が中国に盗聴されていると発言していました。
米国が最も恐れているのは、中国製端末機の普及もそうですが、通信網を中国が押さえているということのようです。
前述の通り、ファーウェイは通信基地局数世界第1位です。今回のCFO逮捕は、おそらくは単なる「きっかけ」作りと目され、このことで、次世代通信規格「5G」から、中国企業を排除することが狙いだったのでしょう。
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