「5G」をめぐる米中戦争 ファーウェイ排除とソフトバンクが抱えるリスク:マネーの達人(4/6 ページ)
米国を中心に、中国通信機器大手ファーウェイの製品を排除する動きが広がっています。米中貿易戦争の本質は「5G」時代のIT覇権争いです。ファーウェイの通信網を使うソフトバンクのリスクも浮き彫りになっており、日本企業も方針転換が迫られるでしょう。
米国、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国は、安全保障上の懸念を理由に、高速通信「5G」モバイルネットワークのインフラ機器調達からファーウェイを除外したとのことです。英国のブリティッシュ・テレコム(BT)も、「5G」についてファーウェイ製品は使わない方針を明らかにしたようです。
米政府はアジアの同盟諸国にもファーウェイ機器の使用をやめるよう圧力をかけているそうで、特にインドには強く働きかけるのではないでしょうか。
中国通信網は、アジアやアフリカにおいては、既に優位な立場にあると言えます。世界各国に呼びかけ、「5G」の世界から中国企業を締め出そうというのが、米国のIT覇権戦略なのでしょう。
中国側の事情
米中貿易戦争で経済的ダメージを負っているのは米中どちらでしょう。どちらも株価は大きく値を下げていますし、人民元は確かに「安く」なってはいます。中国では、米国産のトウモロコシ等の農産物を輸入しなくなったことで、それを餌とする豚肉の価格が高騰しているとのことです。
米国との関係をこんなに悪化させたのは習近平だ……と、粛清で押さえつけられていた反習近平派が、ここに来て反旗を翻そうとしているという話も聞きます。
米中首脳会談で一時停戦の様相を見せたことは、実は習近平氏にとって「助け舟」だったという見方もあります。人民元安も止まりました。これ以上の(1ドル7元を超える)人民元安になれば、中国国内からの資金流出に歯止めがかからなくなるところでした。
その米中首脳会談を終えたタイミングでの、今回のファーウェイCFO逮捕劇です。
一説には、米国側に対中休戦を望まない勢力があるのではとの見方があるようで、そんなことを言えば中国側にも、習近平体制を壊したい勢力はあるでしょう。ただ、米中首脳会談で一時停戦を決めたその日の逮捕劇でした。いったいどのような力が働いたのでしょうか。
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