「5G」をめぐる米中戦争 ファーウェイ排除とソフトバンクが抱えるリスク:マネーの達人(5/6 ページ)
米国を中心に、中国通信機器大手ファーウェイの製品を排除する動きが広がっています。米中貿易戦争の本質は「5G」時代のIT覇権争いです。ファーウェイの通信網を使うソフトバンクのリスクも浮き彫りになっており、日本企業も方針転換が迫られるでしょう。
ソフトバンクの通信障害
タイミングと言えば、日本ではカナダでのファーウェイCFO逮捕劇に合わせるように、ファーウェイの通信網を活用するソフトバンクの大規模の通信障害が起こりました。しかも12月19日に、通信会社ソフトバンク上場を控えていたこのタイミングにです。
報道によれば、ソフトバンクが使用するスウェーデンの通信機器大手「エリクソン」製の通信制御機器に異常が発生したのが原因と公表しています。同社製の機器による障害は、ほぼ同時刻に海外10カ国の通信事業者でも発生したそうです。
日本での障害はソフトバンクや格安ブランド「ワイモバイル」のほか、回線を借りてサービスを提供する格安スマートフォン各社の端末にも及んだようです。
ソフトバンクのネットワークシステムを使った会社も大変だったようで、運送会社の配送にも影響が出たり、顧客サービスも止まったりしたようです。
これも偶然と片付けられるのでしょうか。
ソフトバンクはファーウェイの基地局を採用していて、同社と「5G」の共同開発や実証実験を行っています。しかし、今後はファーウェイとの関与が経営リスクとなりかねない上、例えば米政府機関と取引のある企業はソフトバンクから他社に乗り換えるという動きも予想されます。
なお「5G」の実証実験は、ソフトバンクはファーウェイと行っていますが、NTTドコモはノキアと、KDDIはエリクソンと行っています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに実用化を目指しています。
ソフトバンクは、現状維持でも路線変更でも大きな経営上のリスクを抱えていると言えそうです。
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